奇跡の腸内物質「スペルミジン」で長生き、そして認知症も防げる

マウス実験では寿命が25%も延びた
週刊現代 プロフィール

スペルミジンが人間の老化を防止するのに有する機能は、これだけではない。スペルミジンは、オートファジーとは別のメカニズムで、多くの人を悩ませる動脈硬化を防ぐ。鍵になるのは、スペルミジンの「炎症を抑える」働きだ。

動脈硬化は、血管の内側の傷ついた部分に白血球などがくっついて炎症を起こし、血管が硬くなったり狭くなったりする現象だ。血管が狭くなることで血圧は高くなり、ひどい場合には脳梗塞や心筋梗塞にもつながる。

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がん予防効果も

松本氏が言う。

「高齢になると、それまでは弱い程度で終わっていたはずの炎症が、慢性的なもの(慢性炎症)になってしまいます。それが動脈硬化をはじめとする『老年病』を悪化させてしまうのです。

スペルミジンなどのポリアミンは、この慢性炎症を抑制する働きを持っています。つまり、体内でポリアミンがつくりにくくなった後でも、食事からポリアミンを摂取することなどによって、動脈硬化を予防できると考えられるのです」

昨年、パリ第5大学医学部のグイード・クローマー教授らが発表した研究結果によれば、イタリアのブルーニコという地域で約800人を対象に、どんな食品をよく食べているかを調査したところ、スペルミジンの摂取量が多いほど、心不全などの心血管系の疾患のリスクが低いという関連性が明らかになったという。

特に男性でその傾向は顕著だった。

 

心臓、血管が丈夫であることは、高齢者にとって極めて重要なことだ。地域医療振興協会練馬光が丘病院の院長である川上正舒氏が言う。

「人間の若々しさというのは、いくつか考え方がありますが、血管が健康に保たれていることが非常に重要です。血管が古びず、しなやかであり続ければ、血液が体中によく巡り、新鮮な酸素が隅々の細胞にまで行きわたります。

その意味で、血管の炎症を防ぐスペルミジンは、人間が若々しくいられる効果があると言えるでしょう」