40代からの美しい腹筋はジムではなく食事で作られる

なぜ筋トレしても痩せないのか?
オーガスト・ハーゲスハイマー プロフィール

さて、「カロリーメーター」で食材を燃やしてみると、一番よく燃えるのは油です。だから油はカロリーが高い、太る、という誤った迷信にすり替わってしまったのです。

しかしながら、人が太るのはカロリーが高いものを食べたからではありません。私たちが太るのは、肉ぶとんのように体脂肪がつくからです。
 
そしてその体脂肪は体の中で余った糖からつくられます。油ではありません。ここを間違っている人がたくさんいるので、くれぐれも誤解がないように言っておきます。

体脂肪になるのは、糖であって、油ではないんですよ!

いくらカロリーが高いからといって、太る理由にはなりません。

 

ノンファット食品にお金を使い、油を抜いてパサパサの食事で我慢してきた人生は結局すべてムダだったわけです。何ともショックですね!

そして“ささ身崇拝者”がこだわる理由は、ささ身には脂肪が少ない=カロリーが低いからです。でもカロリーが高い油は太るから、油の少ないささ身を食べる、というのは、まったく意味がない理論です。

美味しいもも肉や鶏皮を避けて、パサパサしたささ身や胸肉ばかり食べるなんて、人生を損してますよ!

鶏肉のもも肉や皮には体にいい油がたっぷり含まれています。とくに皮にはオリーブオイルと同じ一価不飽和脂肪酸といういい油がたくさん集まっていて、これほど健康的な食品はありません。私は焼き鳥屋に行けば、必ず皮をおかわりして食べているほどです。

やみくもな糖質カットは太りやすい体を作る

最近は糖質カットがブームです。たしかに太る原因は過剰に摂って余った糖が体脂肪に変わることにありますから、糖質を制限するのは理に適っているとはいえます。

「炭水化物を抜けばやせる!」と毎食ご飯や麺類、パンを抜いてがんばる人は多いですよね。でもちょっと待ってください!

やみくもに糖質をカットすると、リバウンドしたり、代謝が悪くなって、かえって太ってしまうというリスクが高いのです。せっかくがんばって糖質カットしたのに、その力がムダになってしまうどころか、逆に太ってしまうなんて悲劇ですよね。

その理由を順番に説明していきましょう。
  
まずリバウンドしやすいという点についてお話しします。

私たちの体は糖をエネルギー源として動いています。食べ物から糖質が摂取されると、血液の中にインスリンというホルモンがたくさん分泌されて、糖をのせて体内を移動し、あちこちの細胞に運びます。

イメージとしては、血液という高速道路の上を、糖をのせたインスリンというトラックがたくさん走り回っている状態です。細胞の中にはミトコンドリアという発電所があって、届けられた糖はその発電所でエネルギーに変わるわけです。

「血糖値が上がる」とは、糖をのせたトラックが道路上を走り回っている状態です。

そしてトラックがおおかた荷物の糖を届け終わってしまうと、みないっせいにターミナルに戻ってしまいます。すると高速道路上にはトラックがいなくなって閑散としてしまいます。これが「血糖値が下がる」状態です。

では糖質をカットし続けているとどうなるでしょう。高速道路上では、つねに糖を運ぶトラックが不足している状態になります。

「このままではエネルギーが作れなくなって、生命の維持が危うくなる」そう判断した脳は、「甘いものを食べろ」「こってりしたラーメンを食べろ」などと強烈な食欲を起こして、糖を補給しようとします。

人間はどんなに強い理性をもっていても、生命を維持しようとする本能的な脳の命令には逆らえません。結果ドカ食いし、リバウンドを引き起こすのです。
  
では、これを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか? 血液中にエネルギー源となる栄養を与えて、脳を満足させてあげればこの衝動は起きません。その栄養とは糖ではなく、良質な脂肪分、つまり油なのです。

油を摂らずに糖質カットをすると、体はエネルギー源がないので、仕方なく筋肉をアミノ酸に変えて糖を作るようになります。そうすると筋肉量が落ちる→基礎代謝が落ちる→太りやすくなる、という悪循環が起こるのです。

糖質を制限するなら、その分だけつねに良質の油を補う必要があります。それをせず、ただがむしゃらに糖質カットしてもかえって太りやすくなってしまうというわけです。

最少の努力でやせる 食事の科学