大人になっても手放せないものはありますか?

ライナスの安心毛布から学べること
片岡 義男 プロフィール

ライナスの毛布が象徴するもの

突然、ライナスは、GIVE ME BACK THAT BLANKET!と叫び、焼却炉のなかからブランケットを取り出す。この時のライナスの台詞の全文を引用しておきたい。次のとおりだ。

NO ONE IS GOING TO CURE ME OF ANYTHING. WHO ARE YOU TO TELL ME WHAT TO DO? WHO IS GRANMA TO TELL ME WHAT TO DO? WHEN MOM TELLS ME IT’S TIME TO STOP DRAGGING THIS BLANKET AROUND, THEN I’LL DO IT. BUT IT’S NO ONE ELSE’S BUSINESS, DO YOU HEAR?

母親を頂点とするアメリカの個人主義にライナスは見事に立ち返った。なりゆきを心配していたチャーリー・ブラウンはHOORAY!(万歳)と叫び、ルーシーは「黙れ、この野郎」と言い、ブランケットを顔に当てたライナスは、ARE YOU ALL RIGHT, OL’ BUDDY?と笑顔で言っている。この四コマが9月10日だ。

 

ライナスがセキュリティ・ブランケットを大事にしていることぜんたいに、僕は強い共感を覚える。ブランケットのような目に見える具体物ではないけれど、ライナスのブランケットに匹敵するなにかが、僕にはあるに違いない、と思うからだ。それは、いったい、なにか。ライナスの台詞のなかにある、WHO ARE YOU TO TELL ME WHAT TO DO?といううひと言が、それにもっとも近いのではないか、と自分では判断している。

片岡義男・小西康陽による初のコラボレーションブック!