名医たちが実名で明かす「私が患者なら受けたくない手術」

メリットよりデメリットのほうが大きい
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がんと並んで、医者が受けたくない手術として挙げたのが脳の手術。たとえば、脳ドックで未破裂脳動脈瘤が見つかったと言われたら、不安で手術を受けようと思う人もいるだろう。

だが、はるひ呼吸器病院病理部長の堤寛氏(65歳)は、無理に手術するほうが危険だと主張する。

「脳ドックによって、脳に小さな動脈瘤が見つかるケースがよくあります。

『破裂したら大変ですから、今のうちに取り除きましょう』と言う医者がいますが、私なら放置します。手術による死亡率が5%程度あるのに対し、10年以内に破裂する確率は1~2%程度と言われています。

高齢者は、無理に手術した場合と、そのままにした場合で寿命が変わらない可能性が高い。ちなみに脳ドックは日本でしかやっていません」

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脳と同じく、神経に影響を及ぼす可能性があるのが頸椎の手術だ。

「頸椎は神経が集中するものすごくデリケートな部分です。『手が痺れる』といった症状で手術に踏み切る人がいますが、良くなったという声をほとんど聞かない。

手術をしても痺れと痛みは残るし、よりひどくなる可能性はいくらでもある。私も自分で歩けるうちは絶対に受けない」(秋津医院院長の秋津壽男氏・63歳)

 

さらに前出の堤氏は「自分なら大動脈瘤の人工血管置換術は受けたくない」と語る。

「手術の際、血栓が詰まって脳梗塞や心筋梗塞になって死亡する確率が10~20%ほどあり、たとえ手術を乗り越えたとしても、体力のない高齢者の場合、寝たきりの状態になる可能性も大きい。

実際、私の義父が担当医から胸部の大動脈瘤で手術を勧められたと聞き、私が『もし先生のお父さんが患者だったら手術をしますか』と問うと『しません』と答えました。

自分の家族にはやらない手術をなぜ勧めたのか。もっと患者のことを真剣に考えてほしいと憤りを感じましたね」