大予想!「小田急線複々線化」でダイヤはこう変わる

建設費回収は可能なのか?
佐藤 信之 プロフィール

複々線化後の通過両数は、ロマンスカーを除いて348両で、輸送力は38%増の49,068人となる。旅客数が変わらないとすると、混雑率は141%に低下する。

また、複々線化の対象外の新百合ヶ丘~向ヶ丘遊園間も、現行新百合ヶ丘7時15分~8時15分の1時間の運転本数、急行13本、準急5本、各停9本の計27本のうち各停の7本が2両増結して10両化すると思われるので、輸送力は、現行の35,532人から37,506へ6%の増加となる。この区間の混雑率は発表されていないが、仮の数値で比較すると、たとえば現行の混雑率を150%とすると、これが141%に低下することになる。

 

旅客数を1割以上増やすために

小田急電鉄は、複々線化後の混雑率を160%としているので、現在より朝ラッシュ1時間に9,205人(13%増)の旅客の増加が必要となる計算である。

1割以上旅客数を増やすことは並大抵のことではないが、複々線化によって大幅に所要時間を短縮して周辺の他社線からの旅客のシフトを見込んでいるのだろう。複々線化が完成すると、各駅停車が足かせとなって時間がかかっていた急行や準急列車がスピードアップして、最大10分の時間の短縮が実現する。

まず、多摩センターから都心へ向かう京王相模原線の旅客の一部が小田急多摩線にシフトすることが見込まれるが、現在京王から小田急に乗り換えて都心へ向かう定期旅客の数は1日片道2,600人余りでしかない。

そのほか、小田急江ノ島線の中央林間で田園都市線に乗り換えている旅客、南武線から田園都市線を経由している旅客、成城学園~二子玉川間の路線バス(東急バス、小田急バス)から田園都市線を利用している旅客のシフトが見込まれる。これらで増加する旅客数はせいぜい2,000人程度ではないだろうか。9,000人以上の最混雑1時間の旅客数の増加を実現するには、沿線人口の増加に期待するしかない。