田中角栄こそ、AIに淘汰されない究極の人材である

生き残りたいなら、メカトロ人材になれ
鈴木 貴博 プロフィール

というのも衛星からの探査情報で石油の存在についてはかなりの情報がわかる時代になっても、最後はフィールドに出て予備掘削した竪穴にセンサーを降ろして可能性を確認する仕事はなくなる心配はないからだ。

頭脳と肉体、両方を使うべし

AIの力で頭脳ワークを強化したメカトロ人材はこれからますます需要が高まるだろう。だから20代の若者は自分にあった仕事を探すにあたっては、メカトロ人材として人工知能には簡単にとって代わられないような仕事を具体的に探す必要がある。

まず、高校生で進路を選ぶ前であれば、文系に進むよりも理系の教育を受けたほうがメカトロ人材になりやすいかもしれない。弁護士を選ぶよりも医者になる道を進むほうが生き残れる可能性が高いからだ。そして医師として進路を選ぶのであれば外科医や歯科医がいいだろう。

 

すでに社会に出て、そういった資格を選ぶ選択肢がほとんどないビジネスパーソンは手遅れなのかと言えば、そんなことはない。メカトロ人材として活躍できそうな領域を新たに切り開くという手があるだろう。これからそういった仕事を作っていけばいいのだ。

田中角栄という人が何と呼ばれていたかご存知だろうか? 田中角栄は「コンピュータつきブルドーザー」と呼ばれていた。誰よりもすぐれた頭脳を武器に、官僚を動かして政策を変えさせた。人工知能でパワーアップされた人間が、人を動かす仕事に力を発揮するのも、これはひとつのメカトロ人材と言えるのかもしれない。

専門性のある仕事でもメカトロ人材なら生き残れそうだ。

たとえば富裕層を対象にしたフィナンシャルプランナーの仕事はなくなるだろうが、富裕層の資産管理に加えて執事のように頭脳労働と肉体労働のどちらでもお金持ちの片腕として働くような仕事を始めれば、その需要はずっと長く続くだろう。元々本来のプライベートバンカーは、そこまでやっていたのだが。

不動産分野であれば、ただ不動産を仲介するのではなく、仲介後にリフォームの提案をし、実際にその現場を監督するようなところまで組み合わせれば、他人にも人工知能にもマネできない新たな仕事が生まれるかもしれない。

とにかく、頭脳労働だけでキャリアを維持するだけでは人工知能の発達がもたらす仕事消滅には生き残れないと思った方がいい。高度な頭脳労働に肉体の補助が必要になるメカトロ人材としてのスキルを身につけることに、これからの未来を生き抜くために考えるべきヒントがあるのだ。

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