「痴漢」は病気です。些細なきっかけで誰でもなる可能性があります

「四大卒の会社員で既婚者男性」が多数
大泉 りか プロフィール

女性に対して「イジメ」の感覚を抱く

斉藤氏らが、性犯罪者を対象に始めた再犯防止プログラムを、2006年から2017年の間に受講したのべ約1000人を超える加害男性たちの最終学歴の調査結果によると、なんと四大卒が49%とほぼ半数を占める(ちなみに以下は、専門卒11%、高卒20%、大学院卒5%、在学中6%、不明3%)。

さらに受講者の職業を見ると、50%が会社員なのである(以下、無職29%、学生8%、自営業5%、公務員4%、アルバイト3%、その他3%)。

さらには、結婚歴を見ると、既婚が43%(未婚41%、離婚8%、別居4%、同棲中2%、その他2%、婚約中1%)。

 

この結果から見ると、最も多い痴漢のパーソナリティーは、「四大卒の会社員でかつ、既婚者男性」ということになるのである。そして、常習化した痴漢行為は依存症という病気である以上、わたしの夫や父親、兄や弟、そしていま、これを読んでいるあなたが、絶対に「罹らない」とは言えないのだ――いや、そうはいっても、痴漢行為をする/しないの間には、通常のメンタルであれば超えないラインがあるはずだ。

「初めて痴漢をした動機を聞くと、ほんの偶然に始まったという人がいます。ストレスフルな満員電車の中で、偶然に手が女性の身体に触れてしまって、その柔らかさに衝撃を受けるとともにこれまでの緊張がほどけて、何ともいえない達成感が味わえたと。実は、これが一番多いですね。

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次は他の痴漢を目撃した人。それまでは捕まえる側だった人もいたが、他の人の痴漢を偶然目撃して、それで『僕もやってみよう』と実行する人。あとは痴漢サイトを真似する模倣犯。ゲーム性やギャンブル性、スキルアップを目的として耽溺する人もいる。まさに満員電車という環境への性暴力を介した適応能力といえます」(斉藤氏)

そうして、痴漢行為に耽ることを覚えた多くの男性たちは、痴漢することで女性に対してイジメの感覚を抱き、優越感に浸ったり、支配欲を充たすという。なるほど、そういった痴漢たちの自分勝手さを、敏感に感じ取っているからこそ、我々女性は痴漢に対して、無条件に腹が立つのだ。しかし「満員電車での痴漢」というメカニズムにハマってしまった男性は、どうなったらその行為をやめることが出来るのか。