日本を訪れる外国人の数は増え続けている一方で、「爆買い」に代表される買い物中心の旅行に変化の兆しが出始めた。せっかく日本に来たのだから「日本製」を買いたい、という旅行者が増えてきたことや、日本でしか体験できない「事」をしたいというニーズが増えているのだ。
背景には、日本を訪れるのが初めての人よりも「リピーター」の割合が多くなり、定番の観光地や買い物ではない「日本らしい旅行」を求め始めているのだ。
日本政府観光局(JNTO)の推計によると、7月に日本を訪れた外国人は268万2000人。1年前に比べて38万人も増え、単月として過去最高を記録した。1月からの累計では1643万人となり、2016年1年間の2403万人を大きく超えるのは間違いない。
東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年には4000万人の訪日を政府は目指しているが、可能性は十分にありそうだ。
日本を訪れる観光客などの増加は、言うまでもなく、日本の国内経済にプラスになる。観光庁の「訪日外国人消費動向調査」では、今年4-6月の外国人消費は1兆776億円と、四半期としては過去最高を記録。1月から6月の半年では初めて2兆円を突破した。年間4兆円のおカネを落としてくれる外国人観光客は何ともありがたい存在なのだ。