家を買うなら、あと1カ月待てば35万円トクをする

住宅ローンを極める⑥
山下 和之 プロフィール

メリット②実質的な保険料が安くなる

保険料負担も現在の制度に比べて軽減される。図表1をご覧いただきたい。

たとえば、借入額3000万円、35年返済の場合、従来の別途支払いの団信では35年間の保険料支払額は約204万円で、返済額を含めた総支払額は約3832万円。それが、団信付きのフラット35に移行すると、別途支払いがなく、総返済額は約3797万円になる。新しい制度に移行すれば、約35万円の軽減になる計算だ。

図表1 現在と10月以降の総支払額の比較
設定条件:借入額3000万円、35年元利均等・ボーナス返済なし

住宅金融支援機構ホームページより

メリット③10月から保障内容も拡充へ

保障内容も拡充される。図表1にあるように、従来の団信では、保険金の支払い対象になるのは、「高度障害保障」と「死亡保障」だが、10月以降は、「身体障害保障」と「死亡保障」になる。

住宅ローンの名義人が亡くなったときには、「死亡保障」として住宅ローン残高相当の保険金が支払われ、遺族には住宅ローン返済のいらない住まいが残される。

その点は10月からも変わらないが、いまひとつの保険金支払いの対象である「高度障害保障」が「身体障害保障」に変更されることによって、保障対象が拡充されることになるという。

高度障害というのは、両手や両足を失ったり、両眼の視力を完全に失ったり、言語または咀嚼能力を全く完全に失ったりする7つの状態を指す。

それに対して、「身体障害保障」では、高度障害に加えて身体障害者福祉法に定める障害の級別が1級または2級として、身体障害者手帳の交付を受けた場合に保険金が支払われるようになる。

 

具体的なケースとしては、従来は保険金支払いの対象ではない、ペースメーカーの植込み、人工透析などで日常生活活動が極度に制限される場合なども保険金支払いの対象になる。

各種の団信のなかでも、この身体障害状態が保障対象になるのは、国内では初のことだそうだ。また、三大疾病特約に関しても、図表2にあるように、保障内容に「介護保障」が加わるなどの拡充が実施される。

図表2 10月以降の保障範囲の拡大

住宅金融支援機構ホームページより

9月以前の申込み分については

この団信付き住宅ローンへの移行は、10月1日申込み分からで、9月末までの申込みや、すでに返済が始まっている住宅ローンについての変更はできない。

どうしても団信付きのフラット35に変更したい場合には、他の金融機関などに借り換えるという方法がある。

借り換えるためには、他の金融機関での申込みが必要になるのがふつうで、その場合には、事務手数料や抵当権設定費用などが必要になる。

フラット35の場合には、金利が低い分、事務手数料が借入額の1.50%から2.00%程度かかることが多いので、その他の費用まで合わせると、借入額の2.00%から2.50%程度の費用がかかると考えた方がいい。

それを負担してもトクするためには、借換え先の金利が少なくとも0.50%以上、できれば1.00%程度は今借りている金利より低くなければ借り換えるメリットがない。

2、3年前までの現在より高い金利のフラット35を利用している人なら、借換えによって金利低下メリットも出てくるが、最近の超低金利ローンを利用している人だと、金利低下メリットはあまり期待できないので、諸費用を考えると、借換えでトクするのは難しいだろう。