ヤンキースのアーロン・ジャッジに何が起こっているのか?

スーパースター候補が不振のどん底へ
杉浦 大介 プロフィール

名門浮上のカギは若き主軸

(やや停滞気味のヤンキース。プレーオフ進出を果たせるか Photo By Gemini Keez)

ここまで見てきた3つの要素に加え、ここしばらくのジャッジは故障を抱えているという話もある。ここしばらくは左肩にアイシングを施しており、8月下旬には本人も痛み止めの注射を打つ可能性を認めていた。

「(左肩について)話し合ってはいるが、彼は大丈夫と言っている。心配はしていない。問題は打撃フォームで、肩の状態が影響しているわけではない」

ジョー・ジラルディ監督のそんな言葉は、真実を言い表しているのかどうか。疲労の話ともかぶるが、少なくとも現在のジャッジのコンディションが最高の状態ではないことは確かなのだろう。

 

こうしてジャッジが調子を落とすとともに、ヤンキースも停滞気味である。 6月13日の時点では38勝24敗も、以降は33勝38敗。ジャッジが打ちまくっていた7月終了時はまだ地区首位を走っていたが、8月には2位に陥落してしまった。チームの成績が一人に委ねられるわけではないが、前半戦で起爆剤になっていたジャッジが不振に陥り、打線は消沈してしまった感もある。

(ジャッジと大砲デュオを構成するゲイリー・サンチェスの働きにも注目だ Photo By Gemini Keez)

それでもワイルドカード争いではトップだが、安泰と言える立場ではない。同地区のレッドソックスに9勝7敗。中地区のインディアンスに2勝5敗、西地区のアストロズにも2勝5敗と上位チームになかなか勝てないのも気になる。今後、プレーオフに向けて上昇気流に乗るために、ジャッジ、同じく中軸を打つゲイリー・サンチェスの働きはやはり不可欠に違いない。

「身体をリフレッシュさせることが最も大事だ。少し休み、リラックスすることで、自分を取り戻せる。特にこれから重要なゲームが待ち受けているからね」

8月28日、30日(29日のゲームは雨天中止)のインディアンス戦では2戦連続でジャッジを休ませた後、ジラルディ監督はそう述べていた。夏場の休養がポジティブに働くことはあるもの。9月2日からレッドソックスとの大事な4連戦を前に、適切なタイミングでの休養と言えたのだろう。

“All Rise(総立ち)”。そんなキャッチコピーとともに売り出されたジャッジの打棒は戻ってくるのか。そして、ヤンキースの2年ぶりのプレーオフ進出はなるのか。ジャッジのバットとチームの不沈は密接にリンクしているように思えるだけに、背番号99の動向からまだしばらく目が離せそうもない。