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日本の「食糧自給率」、実はそんなに深刻ではなかった

日本が輸入に頼るのにはワケがある

実はそれほど低くない

日本の食料自給率が、23年ぶりの低水準に落ち込んでいる。

農林水産省が発表したところによると、'16年度の食料自給率は38%だった。'15年度まで6年連続で39%にとどまっていたが、冷害で37%に落ち込んだ'93年度に近づく数値を叩き出した。一方で政府は、'25年までに食料自給率を45%まで高める目標を掲げている。

アメリカがTPP(環太平洋パートナーシップ協定)離脱を表明して以降、食料の輸出入に関する報道がどことなく下火になっていたが、このような現状をどのように捉えればいいのだろうか。

 

まず、農水省が重要視している食料自給率は「カロリーベース」と呼ばれるもので、国内で生産され、1人1日当たりに供給される熱量(913キロカロリー)を、国民が1人1日当たりに消費する熱量(2429キロカロリー)で割って38%となっている。

これとは別に「生産額ベース」で食料自給率を求める方法がある。食料の国内生産額(10・9兆円)を、国内で消費された金額(16・0兆円)で割るが、この計算だと'16年度の食料自給率は68%となる。

農水省が強調するのは、カロリーベースの数字である。農水省は独自の計算で他国のカロリーベースを割り出し、それらと比較して日本の自給率は低いと主張する。ちなみに農水省が公表している'13年の数値でカナダ264%、オーストラリア223%、アメリカ130%、フランス127%、ドイツ95%、イギリス63%となっている。

これを'09年の生産額ベースで見てみる。カナダ121%、オーストラリア128%、アメリカ92%、フランス83%、ドイツ70%、イギリス58%となっている。単純比較はできないにしても、68%の日本はそれほど低くないことがわかるはずだ。

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