『ぼくは愛を証明しようと思う。』で恋愛テクニックのすべてを明かした藤沢数希氏と、『SHIMIKEN's BEST SEX 最高のセックス集中講義』でセックステクニックを惜しみなく語ったAV男優のしみけん氏が赤裸々に語り合う。
(執筆・アケミン/ 撮影・林和也)
藤沢 しみけんさんの本を読んで、これはけっこう完成度が高いな、と思いました。教科書的でオーソドックス、恋人同士が参考にできる内容で、みんなにオススメできると思います。
しみけん ありがとうございます! ここ2年間ほど試行錯誤をした結果、ようやくこういった形になりました。
藤沢 しみけんさんは、なぜ改めてセックスの技術を伝えようと思ったのでしょう?
しみけん 悲しむ女性を救いたい、ということですよね。19年間、AV男優をやっていて思ったのは老若男女、みなセックスに対して悩みを抱えているということ。特に女性はセックスの平均値を知りたがるけど、決してそれはおかしいことじゃない。
以前、セックスをすると涙が出てしまうことに悩んでいる女性がいたんですが、「それはあくまでも反射的なことだから、痛いとか悲しいというわけじゃないとパートナーに伝えるべき」と教えてあげたら、その女性はすごく救われたということがあって。
最近では「無理やり潮を吹かせようとする男は、精神年齢18歳以下。そんな男は早く切り捨てろ」ってツイッターでも頻繁に言っているんですが、やっぱりそういうことは僕が言わないと救われない人もいると思うんです。
藤沢 この本は、奇抜なことが書かれていないのがいいですね。ところで、『ぼく愛』の感想はどうですか?
しみけん この本に描かれている恋愛工学は、「ワルいなあ〜(笑)」という感想です。そして、これまでの恋愛の答え合わせをしているような感覚でしたね。読みながら、これは「ひょっとしたら人に知られてはいけないものなんじゃないか」ってドキドキしましたね。
僕は15歳で童貞を卒業して、高校卒業するまでにナンパもたくさんして経験人数がすぐに180人になったんです。その後も男優としてナンパ作品に数多く出演させてもらいました。この本は、そのころから自分の中にあったものが的確に文章にまとめられているように思いましたね。若いうちに知っていたら、人生が違うだろうなあ。そして藤沢さんがどんな女性遍歴を歩んできたのか気になりました。
藤沢 僕はしみけんさんの『光り輝くクズでありたい』という本も読んだんですけど、しみけんさんの脱童貞にすごく共感したんですよ。一念発起でナンパしたらいきなりその日にゴールという。
しみけん ほう。
藤沢 僕は、ずっと男子校で高校卒業するまで女の人とほとんど話すことがなかったんですよ。でも特にそれに対してコンプレックスを持つこともなかったんです。これは進学校の男子校、あるいは女子校出身者にはわかると思うのですが、異性と交流している人のほうが極めて少数派なんですよ。だから、スクールカーストは恋愛とぜんぜん関係ないところ、たとえば、ゲームが上手いとか漫画に詳しいとかで形成される。
で、大学に入って生まれて初めて行ったコンパで、ほとんど初めて女の人たちと話したんですが、そこでなぜかうまく行って、女の先輩に誘われてその日に童貞喪失しましたね。ビギナーズラックというか。それからしばらくなんの苦労もなく、モテて楽しく過ごしていたんですよ。
しみけん へえ。それでは、恋愛工学の研究を始めたのはいつ頃ですか?
藤沢 もちろん、日本でもナンパやコンパ、学内での恋愛など、いろいろ戦略的に、あるいは生物学的に研究していたのですが、やはり、何と言っても、大学卒業後、留学先で非モテになったことがきっかけです。
しみけん 非モテになったんですか?
藤沢 なんせ言葉もできないし、欧米だと日本人男性がモテないんですよ。そこでなんとかセックスするには、もうナンパするしかなかった。毎日、ひとりでクラブに行っていたらいろいろナンパ仲間ができまして、当時は、アラブ系のフランス人、長身のイタリア人、あと、白人のフランス人と、ドイツ人、ギリシャ人のナンパ友だちとしょっちゅうつるむようになって、週に4回ぐらいはクラブに行ったり、ストナンしてたんです。そのときに、恋愛工学の基礎ができましたね。
その後も恋愛工学は趣味の一環として研究していたけど、メルマガを5年ぐらい前に始めて、恋愛工学について書き始めたらすごく評判がよくて、実践する人がどんどん出てきたんです。
彼らからのフィールドレポートがメルマガに届くようになった。だから、恋愛工学は僕ひとりで作ったんではなく、みんなで作ったんですよね。中には大失恋したことがきっかけで恋愛工学にハマった、というメルマガ読者の声も聞きましたね。