新兵器の「押し売り」で、日本はまたアメリカの金ヅルにされる

武器を通じた自衛隊の「対米追従」
半田 滋 プロフィール

他国が導入を見合わせるのは、どんなに技術が進んでも百発百中とはいかず、一発でも撃ち漏らした場合、核弾頭であれば未曾有の被害が出ることになり、費用対効果に見合わないからだ。

「対米追従」のための本末転倒

日本の場合、「防衛省の天皇」といわれた守屋武昌元事務次官が「レーガン政権はミサイル防衛開発に10兆円を投じた。同盟国として支えるのは当然だ」と話して導入の旗振り役となり、「防衛庁の守護神」と呼ばれた山崎拓元防衛庁長官が、渋る陸海空の三自衛隊を説き伏せた。

 

当初、小泉純一郎首相や福田康夫官房長官は慎重だったが、2003年には導入を閣議決定した。日本防衛の指針である「防衛計画の大綱」(大綱)と矛盾し、「中期防衛力整備計画」(中期防)にも導入が記載されていないことから、大綱、中期防ともに一新された。

ひとつの武器システムが防衛政策の変更を迫る「安全保障政策の下克上」が行われたのである。この結果、システム導入に1兆4000億円の巨費が投じられたが、さらに追加の支払いを始めようというのだ。

今回のイージス・アショアも大綱、中期防と矛盾することから、それぞれ見直され、イージス・アショアという武器に合わせた中身に変更される。

本来、大綱に合わせて装備体系を整えるのが筋であるにもかかわらず、対米追従が前面に出るとあとさきが逆転するのは、ミサイル防衛システムを導入した当時と変わりない。

武器を購入した以上、本番に備えて訓練するのはもちろん、さまざまな事態に備えなければならない。グアム島周辺への弾道ミサイル発射に伴い、北朝鮮が上空通過を予告した島根、広島、高知に加えて愛媛の4県にある自衛隊駐屯地にPAC3が配備された。

「通過予告は日本をからかっているだけ」(防衛省関係者)との見方もあるが、防衛省は真に受けた。しかし、その一方で落下すれば、大惨事となる原発のうち、比較的近い上空を通過する島根原発(島根)、上関原発(山口)、伊方原発(愛媛)を防衛する地点には配備していない(参照:現代ビジネス=2017年6月17日「自衛隊の『PAC3』では、この国は絶対に守れないことが判明)。

防衛省はどこまで日本防衛をまじめに考えているのだろうか。