新兵器の「押し売り」で、日本はまたアメリカの金ヅルにされる

武器を通じた自衛隊の「対米追従」
半田 滋 プロフィール

強烈なレーダー波はどうする?

次の問題は、イージス・アショアをどこに置くのかという点である。

イージス護衛艦は強力なレーダー波を出すため、乗員はレーダーの稼働中、甲板に出ることができず艦内にいることが義務づけられる。同様のレーダー波を出し、さらに発射時に噴煙とともにガスが発生するミサイルを持つイージス・アショアを、既存の自衛隊基地に配備するのだろうか。

迎撃に最も有効な地点を選ぶとすれば、あらたな用地が必要になるかもしれない。どちらの場合も住民に理解を求めるのは容易ではない。

 

米軍は2014年、北朝鮮からグアム島へ向かう弾道ミサイルを探知するため京都府の京丹後市に経ヶ岬通信所を開設し、Xバンドレーダーを配備した。配備から2年が経過した今も、基地そのものが出す騒音や強力な電磁波による健康被害を問題視する住民の反対運動が続いている。

国土交通省は、飛行機の計器に影響を与えることを理由に基地周辺を飛行制限区域に指定しており、京都府はこの2年間で緊急患者の搬送に使うドクターヘリの基地周辺の運航に際し、レーダーの停波を求めたことが9回あったと明らかにしている。ミサイル防衛は住民の生活と無縁ではないのだ。

防衛省は弾道ミサイル破壊措置命令を出した昨年8月以降、東京都新宿区の防衛省内にPAC3を配備し続けているが、携帯電話への影響や健康被害などさまざまな問題発生を想定して、敷地にレーダーだけは置いていない。

イージス・アショアは日本海側が候補地となるが、山頂や原野などよほどの過疎地でもない限り、住民への配慮を欠くことになり、反対運動は苛烈なものとなるだろう。

ミサイル防衛システムは1980年代のレーガン政権で開発が始まり、2002年にブッシュ政権で米軍が正式採用した。これを米国から導入したのは世界中で日本だけ。欧州のイージス・アショアや韓国のTHAAD、PAC3はいずれも米軍が配備したものであり、配備先の国が購入したわけではない。