新兵器の「押し売り」で、日本はまたアメリカの金ヅルにされる

武器を通じた自衛隊の「対米追従」
半田 滋 プロフィール

これにイージス・アショアが加わるのである。「SM3ブロックⅠ」の活用を想定して2カ所の設置を検討しており、1基あたり約 800億円で合計約1600億円の費用を見込む。過剰に過剰を重ねることで、あらたに合計約2600億円の巨費が投じられることになるのだ。

来年度の防衛費は本年度同様5兆円を突破するのはもちろん、過去最高額となるのは間違いない。

 

また「ぼったくり契約」か

ミサイル防衛関連のカネの多くは米政府に流れ込む。イージス・アショアは他の米国製武器と同じく、対外有償軍事援助(FMS)という米国独特の売買方式で米政府が日本政府に売却する形となる。

FMSは米国の武器輸出管理法に基づき、(1)契約価格、納期は見積もりであり、米政府はこれらに拘束されない、(2)代金は前払い、(3)米政府は自国の国益により一方的に契約解除できる、という不公平な条件を受け入れる国にのみ武器を提供する。

売り手と買い手の双方が納得して契約する一般的な商売と異なり、購入する側に著しく不利な内容だが、高性能の武器が欲しい国は甘んじてFMS方式を受け入れる。世界一の武器輸出大国でもある米国は160カ国以上とFMS契約を結んでおり、日本も例外ではない。

この方式で防衛省が導入する予定の対空型無人機「グローバルホーク」が今年になって突然、 100億円も値上げされたのは既報の通りである。(参照:現代ビジネス=2017年5月20日「アメリカの『ぼったくり兵器』の押し売りに、ノーと言えない防衛省」

日本は米政府の金ヅルとなっているだけでなく、武器供給を通じて自衛隊が米国にコントロールされる仕組みを自ら強化している。ビジネス優先のトランプ大統領が安倍晋三首相と良好な関係にあるのは日本が米国にとって「便利な国」だからである。

おまけに小野寺五典防衛相は8月10日、グアム周辺に弾道ミサイルを発射するとの北朝鮮の威嚇に関連して、もし発射された場合は集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」として認定し、自衛隊のイージス護衛艦が迎撃することは法的に可能だとの認識を示した。

米軍の打撃力の欠如が集団的自衛権の発動要件を満たすため、米国防衛が可能になるという論法だが、安全保障関連法案を議論した2015年の安保国会でこのような想定の議論はなかった。

北朝鮮からグアムまでは3400kmあり、日本海配備のイージス護衛艦は能力的に迎撃できないが、太平洋に配備したとすれば、対応可能となる。

安全保障関連法の拡大解釈を支えるのが、日本防衛には過剰な8隻のイージス護衛艦であり、イージス・アショアだとすれば、国民不在の防衛力強化というほかない。