「95%が効果を実感」健康食品のあの数値に潜む落とし穴

市場が拡大する今だからこそ言っておく
原田 隆之 プロフィール

ビタミン摂取で寿命が縮まる?

最後に一番重要なことを述べて締めくくりたい。

冒頭にも少しふれたが、それは、健康食品やサプリの「害」についてである。われわれは、これらのものに大した効果はなくても、害はないだろうと高を括っているところがある。

まず、これまで述べてきたように、大した効果のないものに決して安くはない費用を払っているのだとすれば、これは益どころかまぎれもない害である。

また、サプリを飲んでいることで安心して、バランスのよい食事、適度な運動などといった本当に効果のある方法を軽んじてしまうことにつながれば、これもまた大きな害である。

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さらに、最近になって、βカロテンやビタミンEなどのいわゆる「抗酸化ビタミン」を多量摂取すると、わずかではあるが寿命が縮まるという研究結果が、相次いで出されている。

例えば、最も権威のある医学誌の1つ『米国医師誌(JAMA)』発表された論文では,過去に発表された68件の臨床試験(被験者約23万人)の結果をまとめたところ、抗酸化ビタミンを摂取した人の死亡率は、摂取していない人より5%高くなっていることがわかった。

 

そのメカニズムこそははっきりとわかっていないが、特に喫煙者においてその「害」が大きいことから、タバコとビタミンの相互作用の可能性があることも報告されている。

手軽に健康が手に入る呪文は、残念ながらほとんどが鰯の頭ほどの効果しかないと言えそうだ。