つい、目立つ仕事をやっちゃう

しかし、プロセス見直し型には2つの弱点がある。

①一人ではなかなかできず、チームでの取り組みが求められる

②効果が出るまでに時間がかかる

個人で完結する仕事ならさておき、組織で持っている仕事や習慣をなかなか一人の判断で見直すことはできない。営業会議の報告資料を、一個人の判断でなくすことは難しいであろう。上司と部下、チームメンバー同士での議論が必要になる。言うまでもなく、それなりの労力と時間がかかる。

加えて、プロセス見直し型は効果が出るまでに時間がかかる。どの仕事をなくして、どの仕事をなくすか? 作業手順を減らすことが出来るか? 減らしてしまってよいものか? 品質やスピードを落として大丈夫か? 実行するまでに、検討や準備に時間がかかる。実行したところですぐに効果が出るとは限らない。

すぐ効果が出ない策の検討や準備に時間を掛けているものだから、「何やっているの?」とさえ言われてしまう。そう、地味すぎて評価されないのである。

一方、処理高速型は派手で目立つ。

一人でも実践でき、なおかつ効果をすぐに実感できる。いままでマウスで3クリックかけていた作業を、キーボードのショートカットキー1操作で片付けられるようになった。この改善効果は分かりやすい。快感ですらある。

人は目立つ仕事を好む。快感を好む。

そんな人間の心理もあって、処理高速化型に走りがち。しかし、地味で目立たないプロセス見直し型こそ力を入れないと、いつまでたっても仕事は減らないのだ。

どんなにクルマの性能を良くして速くしても、台数が増えたら高速道路はたちまち渋滞する。

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クルマが安定して速く走りつづけられるようにするためには、高速道路にも手を加える必要があるだろう。工事をして車線を増やす、インターを増やす/減らす、ジャンクションの構造を見直す、など。

その取り組みは地味で時間はかかるが(そして、「そんな工事やって何になる」と煙たがられることもある)、交通の全体最適には欠かせないのだ。

あなたの組織はチームは、クルマを速くすることだけにとらわれていないだろうか?