世界のボクシング王者が集う「スゴすぎる」イベントが近づいてきた

賞金総額はなんと5000万ドル!
杉浦 大介 プロフィール

5000万ドルもの資金が集まった

もちろん、懸念材料も少なからずある。

もともとケガのリスクの大きいボクシングでは、トーナメント方式は容易ではなく、例えば決勝進出した選手が長期離脱してしまうような事態も十分に考えられる。

クルーザー級のラインナップはマニアを歓喜させても、アメリカ人の目玉がいないのでは米国内で注目を集めるのは難しい。そんな経緯から、アメリカ国内のテレビ中継は実はまだ決まっていない。

 

前述通り、スーパー6はコアなファンからはおおむね好評だったが、観客動員、テレビ視聴率などは物足りなかった。

新たなイベントを根付かせるには、まずは興行面の成功が必要。そして、ビジネスとして成り立たせるには、ボクシングマニア以外からの支持を得なければならない。その術を見つけていくことこそが、この大掛かりなトーナメントの繁栄の鍵となっていくのだろう。

今回は欧州選手が中心の階級を選んだが、今後、アメリカ国内を基盤とする世界的なビッグネームの参加なしにWBSSの長期視野での成功は考え難い。

アメリカ人ファイターを魅きつけるためには、トップランク、ゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)、アル・ヘイモンといった大物プロモーター、マネージャーとの提携が不可欠。それは可能なのかどうか。ライバルプロモーターの興味を惹くような条件をすり合わせられるかどうかが、より上質なマッチメークのポイントになる。

リチャード・シェイファーワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)の開催を発表するリチャード・シェイファー photo by gettyimages

GBPからの退陣時にイメージは悪くなったが、シェイファーのプロモーターとしての力はお墨付きである。その力量は、WBSS開催に向けて実際に5000万ドルもの資金を集めたことで再び証明された。シェイファーが新たな試みを成功させることができれば、世界のボクシングビジネスに少なからず影響を与えかねない。

来年5月までにどれだけのインパクトを生み出すか。スケールの大きな新イベントのゆくえに、多くの業界関係者が注目している。