世界のボクシング王者が集う「スゴすぎる」イベントが近づいてきた

賞金総額はなんと5000万ドル!
杉浦 大介 プロフィール

スーパーミドル級は新人王決定戦

スーパーミドル級で出場する現役タイトルホルダーは、WBA王者ジョージ・グローブス(イギリス)だけで、やや層が薄い。

ジョージ・グローブスWBA世界スーパーミドル級王者ジョージ・グローブス photo by gettyimages

グローブス以外では、デビュー22連勝(17KO)を続けるトッププロスペクトのカラム・スミス(イギリス)、元WBA世界ミドル級暫定王者クリス・ユーバンク・ジュニア(イギリス)、ユルゲン・ブルーマーといった著名どころが名を連ねる。クルーザー級がメインだとすれば、こちらは新人王トーナメント的な趣になるのだろう。

 

【スーパーミドル級・第1ラウンド】

WBA世界スーパーミドル級王者ジョージ・グローブス[26勝(19KO)3敗]vs.ジェイミー・コックス[イギリス/23戦全勝(13KO)]

クリス・ユーバンク・ジュニア[25勝(19KO)1敗]vs.アブニ・イルディリム[トルコ/16戦全勝(10KO)]

ユルゲン・ブリーマー[48勝(35KO)3敗]vs.ロブ・ブラント[アメリカ/22戦全勝(15KO)]

カラム・スミス[22戦全勝(17KO)]vs.エリック・スコグランド[スウェーデン/26戦全勝(12KO)]

トーナメントはまず9月9日にベルリンで開催される、クルーザー級のウシクvs.フック戦でスタートする。その後、ラトビア、イギリス、アメリカなどで第1ラウンドのファイトが行われていく。9、10月に行われる第1ラウンドを勝ち抜いた選手が、来春の準決勝に進み、決勝は来年5月開催という青写真である。

この大会で、強さの序列がハッキリする

世界が舞台の壮大なイベントが、2009~11年にShowtimeが主催したスーパーミドル級トーナメント「スーパー6」を参考にしていることは明白だ。

カール・フロッチ(イギリス)、ミケル・ケスラー(デンマーク)、ジャーメイン・テイラー(アメリカ)など、欧州の多くの大物が参加したリーグ戦を覚えているファンは多いだろう。最終的にはアンドレ・ウォード(アメリカ)が優勝し、新たなスター候補を生み出したという意味で、スーパー6は成功だった。

開催期間が長すぎたことがスーパー6のマイナス材料だっただけに、今回のWBSSが勝ち抜き戦を採用したのは理に叶った方向性と言える。9月~来年5月の間に3戦というスピーディなトーナメント。この展開の速さは、トップファイターは1年に2試合程度しかこなさないのが恒例になった現代では新鮮に映る。

マイリス・ブリエディスクルーザー級WBC王者マイリス・ブリエディス photo by gettyimages

WBSSが終わる頃には、クルーザー級の真の覇者が確立し、スーパーミドル級を制した選手も注目の存在になっているに違いない。このストーリー性の高さこそがトーナメント戦の魅力。「強さの序列のわかり難さ」というボクシングにとって致命的と思える欠点も解消される。

シェイファーのWBSSへ意気込みは大きく、来年以降は別階級で挙行を継続していきたい意向をすでに述べている。そうなった場合には、いずれ軽量級も舞台となり、日本開催の可能性も十分にあるはずだ。