日本の学校は地獄か…いじめ自殺で市教委がとった残酷すぎる言動

茨城県取手市・中3女子自殺事件【前編】
内藤 朝雄 プロフィール

市教委は無視し続けた

2015年12月。自殺があったことを生徒に隠したまま、学校は全校生徒にアンケートをし、市教委の担当者が3年生に面接調査をした。

アンケート調査の質問票は、いじめや自殺に触れていなかった。

面接調査で担当者は、「くさや」の文字を隠した付箋のコピーを見せるだけで、具体的ないじめについて質問をしなかった。それと対照的に、習っていたピアノのことや両親との関係など、菜保子さんの家庭事情については質問をしていた。

ある同級生は「(ピアノのことなどで)お母さんは厳しかったの?」と質問された。また別の同級生は、いじめと関係があると思った菜保子さんからの手紙を面接担当者に渡したが、すぐその場でつき返された。いじめがあったとはっきり証言したという同級生もいた(TBS「News23」5月29日(以下「News23」と略))。

生徒たちは菜保子さんへのいじめを目撃しており、何人かの生徒はすでにいじめについて教員に話をしていた。教員は「わかった」「そうなんだ」などと言っていたという(NHK「クローズアップ現代」2017年7月18日(以下「クロ現」と略))。

市教委は両親に「いじめは認められなかった」と報告した。

市教委の調査に疑念を抱いた両親は、菜保子さんの同級生二十人と会って話を聞いた。彼らは両親にいじめを裏付ける証言をした。以後、両親はいじめがあったと訴えたが、市教委はそれを無視し続ける。

翌2016年2月。両親は市教委に第三者委員会の設置を求めた。

〔PHOTO〕iStock

「重大事態に該当しない」

同2016年3月卒業日。中学3年生になると卒業日に渡す個人アルバムを、1年間のいろいろな行事を書き加えてつくっていく。卒業式の朝、両親はアルバムを受け取った。そこには、「きらい/うざい/クソやろー/うんこ」などと書かれた菜保子さんに対する寄せ書きがあった。

「そのアルバムは自死から卒業式まで、学校側による調査があったにもかかわらず、ずっと隠されていたわけです。それで、いじめはなかった、という調査結果でした」(菜保子さんの母)。

2016年3月16日。市教委は前もって学校から重大事態発生報告書を受け取っていた(3月4日)。それにもかかわらず、市教委は臨時会を開き、「いじめがなかったとの判断」を示した(「クロ現」)。

 

そして、菜保子さんの死を「(いじめ防止対策法で規定された)いじめによる重大事態に該当しない」と議決したうえで、調査委員会の設置を決定した。この臨時会の議事録は大半が黒塗りであり、発言者の個人名が記載されていなかった(取手市議会2017年6月8日、染谷議員質問より)。

2016年6月、市教委は定例会で5人の調査委員を決定した。茨城大教授1名(教育学)、筑波大教授2名(精神科医と臨床心理士)、東京の大学教授1名(臨床心理士)、茨城県で開業している弁護士1名である。

2016年7月、調査委が調査を開始。