日本の学校は地獄か…いじめ自殺で市教委がとった残酷すぎる言動

茨城県取手市・中3女子自殺事件【前編】
内藤 朝雄 プロフィール

学校は自殺の事実を隠した

この文章は、前回記事(日本の学校から「いじめ」が絶対なくならないシンプルな理由 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50919)の第二弾である。

今回は、茨城県取手市で起きたいじめ自殺事件と、教育委員会のふるまいに関する記事や番組をもとに議論を展開しよう。読者は、私たちが学校や教育について、どれほどまちがった認識をもっていたかに驚かれることだろう。

以下ではまず、取手市教委のふるまいに関する報道を紹介し、そこから私たちが教育について持っている困った先入観について議論を展開する。

次に、今回のいじめについての報道を紹介し、それを手がかりに日本の学校制度の問題を論じる。

教委のふるまいについて報じられたあらましは以下のとおりである。

朝日、読売、毎日、産経、日経、東京、茨城など、新聞各社の大量の記事をもとに、適宜、テレビや雑誌の調査報道を用いた。煩瑣な引用により文章が読みづらくなることを避けるため、新聞記事から引いたものは引用表記を省略した。各紙の文章をそのまま用いたり、合成したりした箇所があることをあらかじめことわっておく。もちろん紹介箇所のオリジナリティは報道各社にある。

2015年11月10日、茨城県取手市、市立中学3年の中島菜保子さん(15歳)が自室で首をつっているのを、両親が発見。

翌日11月11日、菜保子さんは死亡した。

同日、学校は市教委宛に「自殺を図り」と記した緊急報告書をファックスで送り、市教委は臨時会合を開いた。そこで、生徒に自殺と伝えない方針が決まった。

2015年11月12日、校長は全校集会で、「思いがけない突然の死」と生徒に説明し、自殺の事実を隠した。

 

2015年11月13日、学校は、自殺ではなく「死亡事故」「事故者」と記載された緊急報告書を市教委に送った。この書類で学校は、臨時保護者会を開かない方針と、警察への口止め行為(「警察から報道(機関)に広報しないことを確認した」との文面)を市教委に報告した。

後に市教委は「子供の心を考慮し、遺族の意向もあった」と釈明するが、それに対し父は「そうしてほしいと頼んだことはない」と語る。学校側は、3年生の受験を理由に中島さんの死を「不慮の事故」として生徒らに報告したいと父に同意を求めていた。

同級生は当時のことを次のように証言する(いつのことか日付は不明)。教員が生徒たちに「中島さんがなくなりました。いじめはなかったですよね。皆、仲良くしていたので先生も残念です」と説明した。保護者にも自殺の理由について「家庭の事情で」と発表があった。(『週刊文春』2017年6月15日号)

2015年11月16日、両親が、菜保子さんの日記をみつける。そこには、いじめの存在を示す記述があった。

制服のポケットからは「くさや」と書かれた付箋が出てきた。

両親は学校側にこれを示し、菜保子さんが自殺した事実を生徒たちに伝えて真相を究明するよう求めた。