部活動の全国大会は、もう廃止してしまったほうがいい

「総量規制」から考える部活動の未来
内田 良 プロフィール

「総量規制」という発想

このところ、部活動改革を推進する先生たちの口から、意外な不満が漏れ聞こえてくる。

「私の職場に部活動を指導していない教員がいます。部活動指導が自主的なものであることはわかるのですが、指導する教員が一人減ると、その分、他の教員の負担が増えるんですよ」

部活動の指導は、教員の自主性に委ねられている(詳しくは拙著第3章「自主的なのに強制される」)。顧問就任を辞退することは可能であるけれども、部活動改革に熱心な教員であっても、顧問を辞退するという選択には納得がいかないようだ。

だが、そこで私には一つの疑問が浮かぶ。一人分の人的資源が減り、かつ人的資源の追加投入が見込まれないのであれば、全体の作業量を少しでも減らすことはできないのか、と。

部活動は、平日の夕方だけではなく、早朝や土日にもおこなわれている。夏休みなどの長期休暇中も、部活動漬けだったりする。練習試合も大会も、頻繁にある。

これらの活動の総量を削減・規制することで、教員における人的資源の損失分に対応するのだ。そしてこれは、生徒にかかる部活動の負荷を減らすという意味でも、合理性をもっている。

 

全国大会への不参加・参加大会の精選

「総量規制」とは、字義どおり、部活動の活動量を総合的に減らす取り組みを指す。それを大胆に実行するために、私がとくに重要であると考えるのが、「全国大会への不参加ならびに参加大会の精選」である。

今日の部活動には、多くの大会が設けられている。

日本中学校体育連盟、全国高等学校体育連盟、日本高等学校野球連盟、全国高等学校文化連盟などが主催する全国大会にくわえ、各競技種目や各文化活動の中央団体が主催する全国大会、各自治体が主催する大会、自治体間の連携による大会、民間企業の主催や協賛による大会(いわゆる「冠大会」)、さらには部活動顧問間のネットワークによる私的な大会など、じつにさまざまな大会がある。

図:部活動の未来展望図(出典:『ブラック部活動』)

これらの複数の大会に学校の部活動としてエントリーすると、今度はそのために練習試合が必要となり、そのために日々の練習が不可欠になってくる。こうして、気がつけば休みなく活動することになってしまう。

参加できる大会数に上限を設け、また参加できる大会の規模も地区大会までにするかたちで、大会がもっている過熱効果を抑制すべきである。できれば全国大会の主催者側には、部活動経由での全国大会を廃止するという英断を求めたい。

そもそも学校における部活動は、生徒にスポーツや文化活動の機会を低額で保障すればそれで十分である。それ以上に全国レベルのトップアスリートやプロを目指す場合には、民間のクラブチームに所属するような制度設計を考えるべきである。