記者会見する東芝・綱川智社長 photo by gettyimages

瀕死の東芝より先に死にかねない、監査法人の「危うい体質」

「限定付き適正」意見は自殺行為では…

伝統ある大企業に甘い日本社会

東芝は8月10日、PwCあらた監査法人の「限定付き適正」という監査意見(但し書き)を付加することで、1ヵ月半遅れながら、金融庁に有価証券報告書を提出した。

週末の新聞やテレビは一斉に、「有価証券報告書を提出できないことに伴う上場廃止の危機を回避した」「2017年3月期の連結最終損失額が日本メーカーとして過去最大の9656億円になった」「連結ベースの債務超過額が5529億円と巨大で、深刻な経営危機があらためて裏づけられた」などと報じた。

だが、それらは、いずれも真実の一片をとらえたものに過ぎない。筆者はそうした側面よりも、2016年10~12月期四半期報告書の「意見不表明」に続き、今回も「限定付き適正」意見が監査報告書についた事実そのものに注目すべきと考えている。

なぜならば、この2つの意見は、2015年9月の決算修正と、経営陣の刷新を招いた粉飾決算に続いて、東芝がまたしても同じような不祥事を引き起こしたという事実を、裏づけるものにほかならないからだ。

日本の経済社会は、概して伝統のある大企業に甘い。東芝の新たな粉飾疑惑について、これ以上の追及が行われる可能性は非常に低く、問題はうやむやになりかねない。

しかし、この問題を契機に、刷新したはずの東芝経営陣は再び信頼を失い、日本の会計監査制度そのものが瓦解の危機に瀕しているのである。これを見逃していいのだろうか。

 
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