妻が怖くて家に帰れない!「帰宅恐怖症」の男性が急増中

なぜ夫の足は家から遠のくのか
小林 美智子 プロフィール

夫と一緒に笑い合いたかっただけなのに

「夫みずから何も言わずにお皿を洗ってくれたこともありましたが、顔はムスッとしていたので、私のためではなく、あとあと私にブツクサ言われるのが嫌だから、仕方なくやっているような気がして、心から感謝できず、洗い終わった後、水でビチャビチャのシンクを見ては『シンクぐらい拭いてよ!』と文句を言ってしまったこともありました。

当時の私は、夫のやることなすことすべてにイライラしていました。

本当は家事を手伝ってほしいわけではなく、私のしていることに気づいてほしかった、私にもっと興味をもってほしかった、私をちゃんと見てほしかった。そして一緒に笑い合いたかっただけでした。

夫の気持ち的には、よかれと思ってやっていたことも私に否定されてしまうので、もはや夫は私の機嫌を直す術がわからず、機嫌がよくなるのをただじっと待つだけ。

夫は、だんだん寄り道して帰宅時間を遅らせたり、休みも合わせなくなりました」

(接客業 30代女性)

 

体調を気遣って、話を聴いてほしかっただけなのに

「共働きで、子供が生まれてから、私の世界は180度変わりました。産後の女性が、なぜイライラピリピリするのか、その気持ちをうまく伝える知識も言葉も気力もなく、だんだんと夫は頼りになる人から、私の気持ちがわからない人、そして、いても役に立たない人になってしまいました。

そんな感じなので、どんなに夫が良かれと思って家事をしてくれても、何だか釈然としなかったのです。本当は体調を気遣ってくれて、話を聴いてくれることが一番嬉しいことだったんですけど、なかなか私も自分が何を望んでいるのかがわからなかったので、直接は言わないものの、夫にイライラしている態度をとってしまいました。

何回か衝突をし、なんとなく仲直りをし、でもだんだんと気持ちがすれ違っているなとは感じていました。

夫が家に帰らなくなる過程は、少しずつ、本当に徐々に徐々になので、気がついたらここまで来てしまった、という感じです」

(出版関係 30代女性)

お互いの「わからない!」から帰宅恐怖症に

男性と女性の体験談をお読みいただきました。実は、男女間では夫婦喧嘩の認識も違えば、コミュニケーションの取り方も違います。

例えば、妻にとっては「夫婦関係を良くするために伝えておくべきこと」だったり、話し合いだと思っていることも、夫にとっては「妻に文句や小言ばかり言われている」「喧嘩を吹っ掛けられている」と感じてしまうのです。

また、妻は夫に、何回言ってもわかってもらえないと、きつく言えばわかるだろうと思い、言い方がどんどんエスカレートしてしまいます。すると、夫は妻から責められているように感じて、妻を避けるようになります。

そして、あるとき気づいたら帰宅恐怖症になってしまっていたというようなケースがとても多いのです。

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何気ない結婚生活のなか、また自分では普通と感じている結婚生活のなかに、帰宅恐怖症への危険が潜んでいるのです。

帰宅恐怖症になってしまう要因は、夫にとっては、妻がなんで怒っているのかが「わからない!」のです。

そして、妻にとっては、夫がわからないと感じていることが「わからない!」のです。このように、お互いに「わからない!」ことからはじまります。

では、どのような流れで帰宅恐怖症になってしまうのでしょうか?

〈後編に続く〉

なぜあなたは、家に帰れないのか? なぜ夫の帰宅は、遅いのか?