日本には「教育無償化」が本当に必要なのか? 徹底図解で考える

「勘と経験」で政策を決める危うさ
畠山 勝太 プロフィール

一方、これまでの教育段階と比べて、日本の高等教育はアクセス面で致命的な課題をいくつも抱えている。

まず、図6が示すように、日本の大学就学率は先進諸国と比べて高くないうえに、進学者に占める女性の割合(Gender Parity Index:GPI – 女子の就学率/男子の就学率、で表されるのが一般的)が先進国の中で最低であるのは大きな課題として挙げることができる。

さらに図7が示すように、これらの傾向は大学院レベルになると顕著になる。日本の修士課程の就学率は先進諸国では群を抜いて低く、その男女比も先進国の中で最低となっている。

スペースの都合で提示しないが、博士課程においても状況は同様であり、高度な技術と知識を持った人材、とりわけ女性のそれの育成に失敗しているのが現状である。

そして、数年前に「リケジョ」という言葉が流行したが、日本はこのリケジョの育成にも大きな課題を抱えている。

例として工学部における女子学生比率を図8で示したが、日本は先進国の中でもSTEM系に進学する女子の比率が最低水準にある。

 

その裏返しになるが、例としてサービス系学部における女子学生比率を図9で示したが、教育や社会福祉、人文系学部に進学する女子学生に比率が極めて高い。

つまり、日本は高等教育への進学率が全般的に低く、特にそれは女子学生に顕著で、かつ卒業後に高い賃金を得ることが期待できない学部に集中してしまっている。