毎年百万円を投資に回せば、30年後に億万長者になれるかもしれない

寿命100年時代のマネーシフト②
加谷 珪一 プロフィール

30年後にはなんと8300万円

年金という、国民にとっての最後の砦となる資産がリスク運用にシフトしている以上、個人の資産形成が現金一辺倒ではバランスが取れない。

これからの時代においては、できるだけ資産を分散することでリスクを押さえつつも、株式に対する投資を徐々に増やしていくのが望ましい。寿命100年時代における投資戦略の基本は、国内外の優良株に対する長期投資ということになるだろう。

では株式中心のリスク運用を行った場合、どの程度の収益が見込めるものなのだろうか。寿命100年時代においては、まとまったお金をあるタイミングで投資するというのではなく、毎年、収入の中から一定金額を投資に回していくイメージになる。

ここでは毎年100万円を30年間投資し続けるというケースを考えてみたい。

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毎年、100万円を銀行に貯金していけば、利子を考えない場合、30年後には3000万円になっている。ここでは3000万円という金額を基準に比較検討を行う。

ちなみに、過去50年のデータを分析すると、日本株は平均すると約6%の利回りがあった。もちろんバブルの頂点など最悪のタイミングで投資してしまった場合にはこの数字は当てはまらないし、今後も同じ利回りが続く保証もない。

だが先ほど説明したように企業は利益を上げることが宿命付けられており、普通に考えれば今後も同じような利回りが確保できる可能性が高いだろう。つまり、長期で投資をすれば、理論上、どこで買っても6%程度のリターンは得られそうだ解釈することができる。

毎年100万円を積み立てるという先ほどのケースに6%のリターンを当てはめてみると、その結果は驚くべきものとなる。30年後の金額は何と8300万円を超え、億の単位が見えてくる。つまり、富裕層が持つ資産規模が視野に入り始めるのだ。

 

1億円が見えてくる…

当然だが、この数字はいわゆる「捕らぬ狸の皮算用」である。株式投資にはリスクが伴うので、確実に6%のリターンが保証されるわけではない。では、実際にはどの程度の金額になるのだろうか。

先ほど筆者は、日本株は過去50年の平均で約6%程度のリターンがあると説明した。一方、日本株の過去の平均的なリスクは±25%程度である。リスクというと一般的には危険性という意味で使われているが、投資理論の世界では少しだけ定義が違っている。

投資理論におけるリスクという概念は、1年間のうちに株価が上下変動する幅のことを示している。25%のリスクと言えば、厳密には統計学上の1σ(約68%)の確率で株価が上下25%の範囲内に収まることを意味している。

基本的に株価は毎年6%ずつ上昇するものの、毎年25%のブレが生じる可能性があるという意味だ。上にブレれば、期待収益よりもさらに大きな金額になるし、下にブレれば期待収益を下回ることになる。

投資する期間が長ければ長いほど、こうした株価のブレの影響を小さくできるので、平均的なリターンに近づいていくことになる。最終的な金額がいくらになるのかについては、ちょっとしたシミュレーションを行ってみた。