国有企業「3兆円不正」の証拠を公開!中国経済の「化けの皮」を剥ぐ

エネルギーに自動車…デタラメだらけだ
週刊現代 プロフィール

世界最大の石油会社の実態

18社の中で、審計署が最も念入りに調査したと見られるのが、「2017年第12号公告」として、胡署長がトップに示した中国石油天然ガス集団である。中国国内では中石油という略称で呼ばれ、海外ではCNPCで通っている。

中石油は、米経済誌『フォーチュン』の「2016年世界企業500社ランキング」で、米ウォルマートと中国国家電網公司に次いで3位に選ばれた世界最大の石油会社だ。昨年の売上高は2兆167億元(約33兆4700億円)で、日本最大のトヨタの売上高の1.2倍を超える。

中石油が抱える子会社は902社、従業員は158万9500人、資産総額は4兆340億元(約66兆9600億円)。

CNPCPhoto by GettyImages

このような中国第2位の巨大国有企業の具体的な問題点が、「第12号公告」には、計38項目にわたって詳細に記されている。以下、その主な内容を、項目別にピックアップする。

①財務諸表への記載漏れ

・'15年末までに中石油が傘下に置いた5社を、財務諸表に記載していなかった。5社の資産は計89億7700万元(約1490億円)、'15年の利益は計7億6600億元(約127億円)に上る。

・'13年から'15年にかけて、傘下の四川石油管理局など2社に、6億100万元(約100億円)の医療保険金を過剰補填していた。

・'13年から'15年まで、傘下の華北油田の支店などで、計3億1800万元(約53億円)分の給与を不正支給していた。

 

②国家の重大な政策に対する違反

・'16年7月時点で、傘下の華北油田公司が請け負っていた重要工事が4年も遅れていて、18億700万元(約310億円)の予算が宙に浮いている。

・'13年から'16年5月まで、傘下の遼寧省などの9社の支店で、国家政策と異なる石油関連製品を販売し、7億6300万元(約126億円)を売り上げていた。

・'14年8月から'15年にかけて、国家政策上、天然ガスを使用してはならない事業に、2億6300万立方メートルの天然ガスを供給した。

③企業内部の管理上の問題

・'13年に、国有資産監督管理委員会に未報告のまま、600億元(約9900億円)を社会資本から引き入れて、合資会社を設立した。

・'13年、内部の手続きを無視して、12億1100万ドル(約1330億円)を出資し、海外のある権益の35%を獲得した。

・'13年から'14年にかけて会社の資金10億5700万元(約175億円)を元手に、勝手に株式投資していた。

・'13年から'15年にかけて、傘下の重慶油田の支店で、医療保険の補填金6億6200万元(約110億円)を、個人の預金口座に入れていた。

・'13年、ある油田を勝手に開発し、'16年4月時点で2億100万元(約35億円)の損失を出していた。

・'14年、傘下の油田開発会社など2社が、外部に計2622万元(約4億3500万円)の賄賂を贈っていた。