急拡大する「発達障害ビジネス」その功と罪

はたして、それは適切ですか?
平岩 幹男 プロフィール

がん治療と比べてみると…

今回は発達障害のうち、ビジネスに関係の深い部分を中心として概説したが、発達障害の抱える問題は幼児期から成人期まで多岐にわたり、対応すべき支援も極めて多い。

しかしながら発達障害の概念が知られてからの年月が浅いこともあって(知的障害を伴わないASD、アスペルガー症候群の国際的認知からはまだ20年余である)、行政的対応も後手に回る部分が多いのが現状である。

 

筆者は発達障害についてのビジネス全体を否定しているわけではない。高額の費用がかかっても内容の充実したものもあるが、一方では荒稼ぎと取られかねないような場合も存在する。どうすればその見分けがつくのか、筆者にもまだ解決策はない。

ひとつの比較としてがんの治療を考えてみたい。

〔PHOTO〕iStock

多くのがんでは、病期の判定や標準的治療法などが報告されており、それらは基本的に科学的なあるいは疫学的な根拠に基づいている。

しかしながらがんを巡っては多くの補完代替療法や評価のできない医療的治療など、いわばビジネスが数多く存在することも指摘されている。

標準的治療すら確立されているとは言い切れない発達障害において、その周辺には多くのビジネスが今も動いている。