日本一過酷な通勤電車「東急田園都市線」の混雑率を20%減らす方法

たった一つの工夫で「快適」が生まれる
佐藤 信之 プロフィール

「時差Bizムーブメント」鉄道各社の取り組み

小池都知事は、都知事戦の中で抜本的に輸送力を増やすことで混雑を解消する案を提起するが、ネガティブな反響が大きく、その後は語られなくなった。そして、都知事に就任すると、国や鉄道事業者、また都心に事業所を置く企業と連携して、「時差Bizムーブメント」の取り組みへと転換していった。

時差Bizムーブメントの具体的な取り組みとして、東京メトロは、東西線に「快速」西船橋6時15分発・九段下6時44分着、「各駅停車」妙典6時25分発・九段下6時54分着、その折り返しの「各駅停車」九段下6時52分発・西船橋7時27分着を、7月11日火曜日~14日金曜日、18日火曜日~21日金曜日の間に増発した。学校が夏休みに入るまでの期間限定の臨時列車である。

東西線は、西船橋では7時4分通勤快速中野行きから混雑が始まり、7時43分通勤快速中野行きから混雑がピークとなる。臨時列車は、もともと混雑していない時間帯であり、着席機会が向上するという程度の意味合いしか持たないが、都の取り組みに協力するという姿勢を見せるには効果的である。

 

また、東急田園都市線と東京メトロ半蔵門線では、途中一部の駅しか停車しない「時差Bizライナー」中央林間6時4分発・渋谷着6時44分、大手町着7時0分、押上着7時15分を2週間の平日限定で運転した。その折り返しで押上発7時21分・半蔵門発7時45分→長津田行き「準急」定期列車も増発した。

「時差Bizライナー」は、中央林間と渋谷の間が急行より2分、準急より11分速いのがセールスポイントである。

東急は、すでに4月21日のダイヤ改正で、「急行」長津田5時5分発・渋谷着5時34分(終点)、「急行」中央林間5時30分発・渋谷6時9分着(終点)と折り返しの、「各駅停車」渋谷発5時46分発・長津田6時28分着→既存の「各駅停車」として中央林間まで直通、「急行」渋谷6時14分発・長津田6時45分着の2往復を増発した。

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ラッシュ時に出庫する電車を早朝から走らせることにして生み出した車両であるので車両の増備は行っていない。逆に、車両投資なしに増発しようとするとこのような早朝になってしまうのである。