安倍政権をぶった切り!「支持率急降下」の理由がよくわかる3冊

報道番組では誰も言わないけれど…
中島 丈博 プロフィール

「国家権力は自らが危うくなりそうになると、必ず個人を攻撃するようなスキャンダルを出してまで目を逸らせようとする」。前例を引っ張り出すまでもなく、加計学園問題で「行政がゆがめられた」とする前川喜平前文科事務次官に対して官房長官自らが流布するスキャンダルという見え見えの構図がウザい。

 

失われる報道の自由

安倍晋三のおじいちゃん岸信介は第二次世界大戦の背広組の責任者で、東条英機は制服組の責任者。東条は絞首刑になったが、岸は起訴もされずに総理大臣となりアメリカの傀儡となって、その遺伝子はアメリカに認めてもらいたい病の安倍首相へ乗り移り思考停止をもたらしている等々。ほかにもTPP、農業、沖縄問題など活気ある論議が満載だ。

日本中枢の狂謀』は著者自身の「報道ステーション」のレギュラーコメンテーター降板劇を通じて報道現場への言論圧殺のありさまを生々しく伝え、安倍政権の強圧的報道戦略によって、報道の自由度が急速に失われつつある現状を告発している。

日本中枢の狂謀

また2015年の後藤健二氏らふたりの人質事件は、イスラム国側が裏取引を求めていた最中に、安倍が得々として行ったエジプトでの不用意な演説「イスラム国と闘う周辺各国に二億ドルの支援を行う」がイスラム国への宣戦布告となり、「アベよ、勝ち目のない戦いに参加するというおまえの無謀な決断のために、このナイフはケンジを殺すだけでなく、おまえの国民を、場所を問わずに殺戮する。日本にとっての悪夢が始まるのだ」との通告がなされた。

2億ドルは人道支援であるにもかかわらず、「テロと戦う安倍」を国際舞台で誇示したいばかりに軍事援助と聞き紛う勇み足の演説をぶち上げた安倍の幼児的凶暴性。そして非人道性と残虐性を著者は問題視する。

「テロ等準備罪法」と衣替えされた共謀罪法は参院を禁じ手で強行突破、早くも施行されているが、安倍自身が国民をテロの標的になるように仕向けておいて、これは茶番か、それともまさしく狂謀か。

今回の選書の著者たちは3人が3人ともテレビの報道番組からシャットアウトされ、我々は安倍政権にすり寄る茶坊主のような評論家を目にすることのほうが多いのである。

東京新聞のコラムで鎌田慧氏がいみじくも「この国の『一強』に伴う宮廷劇のような、腹心、側近、佞臣、ゴマすり、御茶坊主、『チルドレン』が入れ代わり立ち代わり現れる政権」と皮肉っているのが秀逸だ。

安倍政権を巡る宮廷劇はまだまだ続きそうだけれど、昭恵夫人は私の小説をほんとうに読んでくれたかしら。

週刊現代』2017年8月5日号より