結局、ロシアは北朝鮮をどうしたいのか?

日本人が知らない「プーチンの頭の中」
北野 幸伯 プロフィール

●北朝鮮は、米国の侵略を防いでくれる緩衝国家
●北朝鮮の核は、脅威ではない

この二つの事実から導かれる結論は、「北朝鮮は、現状のままでいい」である。結果、ロシアは、北朝鮮に関して、「二つの政策」を行う。

まずは、「米朝開戦に反対する」こと。

なぜか? 戦争になれば、米国の同盟国である韓国が、朝鮮半島を統一することになるかもしれない。それは、「緩衝国家」の消滅を意味し、ロシアの安全が脅かされる。だから、ロシアは、中国と共に「対話支持」なのだ。

もう一つは、「北朝鮮の現体制が崩壊しないよう支え続ける」ことだ。

現在、中国は、トランプ政権から対北朝鮮政策について強い圧力を受けている。そこで、プーチン・ロシアは、中国に代わって北への支援を増やしている。たとえば、石油の輸出を激増させている。

 《ロシア、今年の対北石油輸出が前年比200%以上増加=VOA》 WOW!Korea 7/11(火)11:14配信
アメリカの声(VOA)放送は11日、ロシア連邦税関資料を引用し、今年4月までのロシアの対北朝鮮石油輸出額が約230万ドル(約2億6000万円)を記録したと報道した。これは昨年同期(約74万ドル)より200%以上増えた金額だ
 

以上、「プーチンは今、北朝鮮をどう見ているか?」という問題について書いてきたが、要旨をまとめると、以下のようになる。

1)プーチンは、「ロシアと米国は戦争中」と認識している。
2)その証拠の一つは、米国が「反ロシア軍事ブロック」NATOを拡大させ続けていること。
3)ロシアにとって北朝鮮は、米国の侵略を防いでくれる重要な「緩衝国家」である。
4)そのため、ロシアは、「戦争反対!」「対話せよ!」と主張し続ける。
5)その一方で、ロシアは、北朝鮮への支援を継続していく。

ロシアの立場は、中国と共通するところが多い。そして、わがままな金正恩は、中国、ロシアという二つの大国から支援を受けている。だからこそ、「北朝鮮問題」は、米国にとって一筋縄ではいかないのである。