この夏、「第七の大陸」実在の証拠が掘削される可能性

海底地質学者が真面目に語る
佐野 貴司 プロフィール

しかし、プレートテクトニクス理論にもとづく検証の結果、ヌル教授らの説は残念ながら否定されている。どういうシナリオを考えても、すべての巨大海台が都合よく一ヵ所に集まってはくれなかったのだ。

たとえばシャツキー海台は、ほかのおもな巨大海台よりもかなり早い時期に形成されていた。そのため、ほかの巨大海台が形成された時代には、プレート運動に伴い北半球へと移動していたらしい。このことから、すくなくとも、シャツキー海台がパシフィカ大陸の一部ではないことは明らかなのだ。

間もなく結論!?「 ジーランディア」が第七の大陸?

シャッキー海台を含むパシフィカ大陸説は否定された。だが実は、南半球に分布する4つの巨大海台、ロードハウ、ノーフォーク、キャンベル、チャタムが、かつてひとつの大地を形成し、海面から頭を出した「大陸」であった可能性はいまも否定されていない。

そして、ニュージーランドとこれらの4つの巨大海台を合わせた地域は「ジーランディア」と名づけられ、地質学の世界では「第七の大陸」とみなされるようになってきた(図2)。ジーランディアは、大陸であるにもかかわらず、その面積の94%が海面下という、変わった特徴を持つ。

ジーランディア面積の94%が海面下にある変わった大陸、ジーランディア(マシューズらの図を簡略化)

ジーランディアが大陸である証拠のひとつとして、海台の複数の地点(図2の白丸)から花崗岩が採取されたことがあげられる。花崗岩は大陸に特徴的な岩石なのだ。

さらにジーランディアが、長い年月をかけて「沈んだ」可能性も示唆されている。つまり、かつては全体が海面から頭を出した、通常の意味での「大陸」であったかもしれないということだ。

 

ジーランディアが本当に海面から頭を出していたかを調べる最もよい方法は、海底を掘削して地層を採取することだ。採取した地層を調べれば、大陸沈降の歴史を明らかにできる可能性が高い。

じつは、日本、オーストラリア、アメリカが主導して、2017年7月下旬からジーランディアを掘削する予定がある。この掘削の成果によっては、ジーランディアが「沈んだ第七の大陸」と言えるかどうかの結論が出るはず。結果が楽しみだ。