小池百合子の「国政進出」実働部隊はすでに全国に散らばっている

兵庫、福岡、宮城、福島…全国各地で
鈴木 哲夫 プロフィール

さらに若狭氏以外の現職国会議員も、小池新党で「第三極」を形成する動きを見せ始めている。

「新党の立ち上げは、政党交付金の締め切りが来る前の年内になるでしょう。名前が挙がっている議員だけでも、もうざっと10人くらいはいる。彼らは今のところ無所属だったり、所属している政党に不満を抱いている議員です」(若狭氏周辺)

今回の都議選は、いち地方選挙とはいえ、有権者が国政に対して抱く不満や閉塞感の意思表示となった。有権者が、小池新党のような新しい「流れ」を期待していることが浮き彫りになったのだ。これもまた、小池知事が国政へ進出する大きな「必然性」だと言えるだろう。なぜなら、首都・東京の選挙結果は時として世論を動かすからである。

「旋風」は東京だけで終わらない

周知の通り、東京には無党派層が多く、投票行動はときの風に左右されやすい。さらに東京には流動人口も多い。4年も経てば、半数近くの住民が入れ替わってしまう地域があるほどだ。自民党都連幹部はこう話す。

「東京の有権者には、地域の争点はあまり関係ない。むしろ、中央政界の政局や国政の政策といったテーマで投票する傾向が強いんです。今回の都民の票は、明らかに安倍政権への『批判』だった」

さらに、安倍政権の支持率が「危険水域」とされる30%前後まで低落したことを受けて、安倍総理と距離を置く自民党のベテラン議員も言う。

「都議選の後から自民党内も、安倍さんにある程度物申せるような雰囲気になってきた。折角ぶち上げた憲法改正のシナリオもうまくいくかどうか分からないし、来年9月の総裁選で安倍さんが3選されるかどうかも、完全に流動的になっている。そして何より、次の総選挙はどうなるのか」

仮に次期総選挙で「国政版・小池新党」が立ち上がった場合、前述のように東京だけで二桁の議席を確保することは確実だ。さらに筆者の取材では、九州(福岡、熊本など)、東北(宮城、福島など)、東海、そして関西(兵庫など)と、全国各地で小池新党との連動を模索する議員たちの動きが明らかになっている。

 

これまで「他に入れたい政党がないから、なんとなく自民党に入れる」という投票行動を取ってきた無党派層が、安倍政権から離れ始めた。彼らの票が小池新党へ流れることは大いにあり得る。上記のような条件が整えば、次期総選挙での小池新党の当選者は数十人にのぼるだろう。