MBAより価値ある「会員制」 松岡正剛が
私塾で若手リーダーに教えていること 

ハイパーコーポレートユニバーシティ「AIDA」 
セオリー

「ただ、いつ役に立つかわかりませんが、その人の中に鍵と鍵穴を埋め込んでいくことが大きな意味を持ってくる。彼らは5年後、10年後に、何か重要な決断を迫られることがあるでしょう。そういうときには、人間性や世界観の厚みが問われる。そのために、ものの見方の訓練を積み重ねる必要があるんです」

 松岡氏は、21世紀は日本的な力が大きな意味を持ってくると見ている。

「曖昧さや矛盾をたくさん内包しているのが、日本なんです。日本語にしても、"けっこう"、という言葉にはgoodとnoの両方の意味があるでしょう。"かげん"という言葉も、文脈次第でポジティブ、ネガティブ両方に使われる。文脈を失うと単語として成立しない言葉があるなんて、言語としては矛盾している。
  でも、だからこそ日本は複雑なコミュニケーションを実現させてきた。21世紀の社会哲学は、コンフリクトや矛盾が重要なテーマになります。日本的なるものには、大きなチャンスがあると思っています」

 知の巨人・松岡氏ならではの、ものの見方、考え方に間近で触れ、説明を超えた何かを学び取ること。それこそが、限られたメンバーだから可能な、「私塾」の価値といえるだろう。

[取材・文:上阪 徹 編集:見田 葉子]