金正恩核実験のXデーが「8・21」の可能性

米朝開戦の悪夢が現実に?
週刊現代 プロフィール

習近平の不気味な動き

北朝鮮のICBM発射を受けて、7月7日と8日にドイツのハンブルクで行われたG20(主要国・地域)首脳会議は、北朝鮮への対応が、大きなイシューとなった。

特に、G20の場で行われたトランプ大統領と習近平主席との2回目の米中首脳会談は、北朝鮮問題を巡って激しい応酬となったのだった。

習近平 ドナルド・トランプPhoto by GettyImages

いまから3ヵ月前の4月6日と7日、米中両首脳は米フロリダ州で初顔合わせとなったが、この時にトランプ大統領は、習近平主席に対して〝ビッグディール〟(大きな取引)を持ちかけた。

「とにかく中国の力で、北朝鮮を黙らせてくれ。方法は中国に任せる。経済封鎖で締め上げてもいいし、北朝鮮に軍隊を出したって構わない。

その代わり、わが国は南シナ海での中国の行動について、目を瞑ろう。オバマ前政権は、『航行の自由作戦』とか言って、南シナ海で中国と摩擦を起こした。だが、わが政権は、中国が北朝鮮への対応に尽力している限り、そのような行動には出ない」

中国の外交関係者が述懐する。

「わが国にとって驚天動地の提案だった。この時は、両国の貿易不均衡問題について、トランプ大統領から噛みつかれるかと思っていたら、そこは比較的穏やかで、代わって北朝鮮問題ばかり言ってきたからだ。

だがわが国にとって、自国の領土・領海である南シナ海問題と、しょせんは他国の問題にすぎない北朝鮮とでは、前者のほうが重要に決まっている。そこで習近平主席はニンマリして、『できるだけのことをやろう』と、トランプ大統領に約束したのだ」

習主席は帰国するや、4月15日に北朝鮮が行う「金日成主席生誕105周年記念軍事パレード」に、大物特使を派遣することに決めた。中国の外交関係者が続ける。

「特使に選ばれたのは、中国共産党ナンバー3の実力者・張徳江全国人民代表大会常務委員長(国会議長)だった。張委員長は、かつて金日成総合大学に留学し、金正日総書記が訪中した際には、自ら通訳を務めたこともある北朝鮮通だ。

張委員長の任務は、核開発を凍結し、ミサイル発射実験を控えるよう、金正恩委員長を直接説き伏せることだった。言うことを聞くなら、中朝の『血盟関係』を復活させ、多大な経済援助を与えようということだ。

だがあろうことか北朝鮮は、わが国ナンバー3の訪問を拒否したのだ」

すっかりメンツを潰された習近平主席は、怒りを炸裂させ、その後の中朝関係は、国交樹立して68年で最悪の事態になっていったという。

「習主席の命令で、北朝鮮に対する原油の供給をストップした。これによって平壌のガソリン価格が高騰し、一般市民が買えなくなった。

もう一つは、中国銀行に北朝鮮関連口座の取引をストップさせたことだ。北朝鮮は長年、中国国内だけでなく、世界中の取引において、中国銀行を利用してきたが、それを遮断したのだ」(同前)

 

中国が2つの大ナタを振るったことで、今度は金正恩委員長が激怒したが、トランプ大統領は歓喜した。トランプ大統領がツイッターで中国への美辞麗句を並べたのは、こうした中国の措置を評価したからだった。

だが、前述のように7月4日、アメリカの独立記念日にわざわざ合わせて、北朝鮮がICBMの発射実験を強行したことで、トランプ大統領の態度は一変。翌5日にツイッターで、怒りをぶちまけた。

〈中国と北朝鮮の貿易額は、今年第1四半期に、約40%も増加しているではないか。中国のわが国への協力なんて、こんなものだったのだ〉