ヤンキースの新星は、イチロー以来のMVP&新人王同時受賞なるか

~2017MLBの個人賞を予想する
杉浦 大介 プロフィール

サイ・ヤング賞はどうなる?

ア・リーグ クリス・セール(レッドソックス/11勝4敗、防御率2.75)
ナ・リーグ マックス・シャーザー(ナショナルズ/10勝5敗、防御率1.94)
 
ボストン移籍1年目のセールは、ここまで期待通り、いや期待以上の数字を残してきた。勝敗、防御率だけでなく、奪三振率、相手打者のOPSも極めて高レベル。7イニング以上で2失点以下のゲームが9試合もあり、先発時の平均イニングも7回を超えていることのチームに対する好影響は計り知れない。
 
本来であれば、メジャー最高勝率で快走するアストロズのエース、ダラス・カイケル(9勝0敗、防御率1.67)もサイ・ヤング賞候補筆頭になってしかるべきだった。しかし、今季2度目のDL入りを経験しており、シーズンを通じて多くのイニングを積み重ねるのは難しそうなのが残念だ。
 
その他、カイケル離脱後のアストロズを支えるランス・マッカラーズ・ジュニア(7勝2敗、防御率3.05)、トレード期限の目玉となりそうなロイヤルズのジェイソン・バルガス(12勝3敗、防御率2.62)、16先発中15戦で6イニング以上を投げているタイガースのマイケル・フルマー(8勝6敗、防御率3.20)らも素晴らしいシーズンを過ごしている。

ナ・リーグの方では、シャーザー、クレイトン・カーショウ(ドジャース/13勝2敗、防御率2.19)というメジャーを代表する2大エースの一騎打ちの様相が漂う。シャーザーはメジャートップの防御率、WHIPを残し、120回2/3で163奪三振と支配力を発揮。現役最高の投手と評判高いカーショウも例年通りにエリート級の成績を収めており、後半戦で逆転の可能性も十分。それぞれ地区首位にいる強豪チームのスーパーエースたちは、今後も超ハイレベルのサイ・ヤング賞争いを繰り広げそうだ。

NLはベリンジャーの復調次第

ア・リーグ ジャッジ
ナ・リーグ ベリンジャー

ジャッジがMVP、新人王の同時受賞を果たすとすれば、1975年のフレッド・リン、2001年のイチロー以来3人目となる。インパクト、貢献度は他のルーキーを大きく引き離しており、ジャッジの新人王の受賞はすでに当確。ただ、オリオールズのトレイ・マンシーニ(.309、14本塁打、43打点)、レッドソックスのアンドリュー・ベニテンディ(.286、12本塁打、50打点)も例年であれば十分に受賞に価する優れた成績をマークしている。
 
4月25日にメジャー昇格したベリンジャーは、2カ月後の6月25日までになんと24本塁打を放ってファンの度肝を抜いた。その間、ドジャースもハイペースで勝って首位を快走中。21歳の一塁手は、故障離脱中のエイドリアン・ゴンサレスの穴を埋めて余りある働きをみせている。
 
もっとも、その大振りゆえに、ベリンジャーはいずれスランプにはまるか、相手チームが対処法を見つけるとの声も根強い。実際に6月26日以降、10試合連続で本塁打はなく、33打数5安打と停滞気味。ジャッジと並ぶ西のセンセーションが、後半戦では必要なアジャストメントを施せるかにも注目が集まる。
 
(数字はすべて7月6日のゲーム終了時点)