# AD special

ビール党の私が「ウイスキー・ラバー」に転向したワケ

タリスカー・ゴールデンアワー第4回(後編)

岸本: アイラ島のゴルフ場は、すり鉢状のバンカーがあったりして、面白いですよ。アラン島にもゴルフ場が二つあって、プレイしました。

シマジ: クラブは日本から持参したんですか?

岸本: いえいえ、スコットランド人は本当に親切で、ぼくがゴルフをしたいと言うと、「そうか、ちょっと待ってろ」って言って、わざわざ家に帰って息子さんのクラブを持ってきて貸してくれたんですよ。信じられないですよね。

シマジ: すごい話ですね。そうだ、村澤マスター、そろそろキッパーを出してください。

岸本: おお! 懐かしいですね。これって日本製なんですか?

村澤: いえいえ、スコットランドのロッホファインで作られたものです。

岸本: マジですか。密輸?

村澤: ちゃんと業者を通して入れています(笑)。

シマジ: 現地でキッパーを食べると、思わず白いご飯が欲しくなりますよね。ぼくだけかなあ?

村澤: 仰るとおりですね。ぼくは必ず「サトウのご飯」を持っていきますよ。

ボブ: ぼくもスコットランドの蒸留所に働きに行ったとき、そういうレンジでチンするパックのご飯と、フリーズドライの味噌汁を持参しました。

シマジ: ボブはやっぱり完璧な「千葉のおっさん」だね。

ボブ: はい。もうアメリカより日本の生活のほうが全然長いので、どうしても海外に行くと白いご飯が恋しくなっちゃうんですよねえ。

岸本: うん、この塩味が最高ですね。本物はやっぱり美味い!

シマジ: ヒノ、どうだ、本場のキッパーの味は? よかっただろう、おれの担当編集者になって。これが「知る悲しみ」ってやつだぞ。

ヒノ: 美味いです! そして悲しいです。

ボブ: みなさん、バックバーにいいものを見つけましたよ。以前、サロン・ド・シマジ本店でも試飲したことのある、変わり種です。村澤さん、みなさんに一杯ずつお願いします。

シマジ: おお、凄い! カンバスの40年じゃないか。この間、ボブとミニボトルを試飲したやつだね。グレーンウイスキーだけど、すごく口当たりが柔らかいんです。

立木: いちいちそういうことを言わなければシマジもいい奴なのにね。

ボブ: これは1975年に蒸留したものです。では、まずは立木先生から。

立木: ボブはいつもいい奴だね。ありがとう。そこにいる組長もこっちへおいでよ。

ボブ: 組長ではなく、弊社の平井マネージャーです(笑)。

平井: はじめまして、MHDの平井と申します。ヘルムズデールさんの営業担当ですので、今日はお邪魔してしまいました。

シマジ: ああ! あなたが平井さんでしたか。お名前はいろんなバーで聞いて知っていますよ。平井組長はヤクザ映画の親分より貫禄がありますね。さっきから気になって仕方がなかったんですよ。どうぞ、こちらで一緒に飲みましょう。

立木: 組長、こっち向いて。うーん、やっぱり絵になるね。ヤクザ映画にキャスティングしたいくらいだけど、はじめから映画は難しいからまずはスチールにしとこうか。

一同: アッハッハッハ。

立木: 平井さん、専属モデルになってくれない。おれはシマジを撮るのはもう飽き飽きしているんだ。こいつを月に2回も撮っているんだよ。勘弁してくれよな。

シマジ: 組長は十分モデルになれますよ。背も高いし貫禄もあるし…。

平井: そうですか、ありがとうございます。

立木: シマジ、おれのセリフを盗むんじゃない。組長!今日ぐらいは神戸に帰るんだよ。

平井: はい、ちょうどいまいろいろと揉めていますから、今夜中に帰ります。

シマジ: アッハッハッハ。面白い! 原稿を纏めるに当たり「平井組長がきた」と書いてもいいですか。

ボブ: 大丈夫です。うちの平井はそんなことでビビる男ではございません。ではみなさん、もう一度大きな声で乾杯しましょう。

一同: スランジバー!

〈了〉

岸本 泰(きしもと・やすし)
1949年、岡山市生まれ。72年、東京経済大学経済学部卒業後、大倉商事に入社。89~93年まで英国大倉(London)に転勤し、管理本部責任者を務める。油・空圧製品のグローバルメーカー、Parker Hanninfin社日本法人の管理本部長、米Usana社日本法人の管理部長を経て、2005年に退職。晴れて自由人となり、シングルモルトに淫する日々を送っている
島地勝彦(しまじ・かつひこ)
1941年、東京都生まれ。青山学院大学卒業後、集英社に入社。『週刊プレイボーイ』『PLAYBOY』『Bart』の編集長を歴任した。柴田錬三郎、今東光、開高健などの人生相談を担当し、週刊プレイボーイを100万部雑誌に育て上げた名物編集長として知られる。広告担当取締役、集英社インターナショナル代表取締役を経て、2008年11月退任。現在は、コラムニスト兼バーマンとして活躍中。 『甘い生活』『乗り移り人生相談』『知る悲しみ』(いずれも講談社)、『バーカウンターは人生の勉強机である』『蘇生版 水の上を歩く? 酒場でジョーク十番勝負』(CCCメディアハウス)、『お洒落極道』(小学館)など著書多数。
ロバート・ストックウェル(通称ボブ)
MHDシングルモルト アンバサダー/ウイスキー文化研究所認定ウィスキーエキスパート。約10年間にわたりディアジオ社、グレンモーレンジィ社、他社にて、醸造から蒸留、熟成、比較テイスティングなど、シングルモルトの製法の全てを取得したスペシャリスト。4ヵ所のモルトウイスキー蒸留所で働いた経験を活かし、日本全国でシングルモルトの魅力を面白く、分かりやすく解説するセミナーを実施して活躍しています。