なぜ「高学歴なのに一度も働いたことがない未婚女子」になるのか?

一方で「パワーカップル」家庭を築く強者も
前田 正子 プロフィール

次に内閣府が2011年に全国で実施した「都市と地方における子育て環境に関する調査」のデータを見てみよう。

これは妻の年齢が20~40代で、子どものいる夫婦モニターを利用して実施したインターネット調査である。この調査では全国で1万2289人が回答しているが、現在働いていない人は5361人(全体の43.6%)である。

全員に調査したところ、「今後も働かない」人は約1割、つまり既婚で子どものいる女性の約9割近くは、いずれは働きたいか、すでに働いている人である。

実はこの調査では「今後も働かない」としている全体の約1割の人に、働かない理由について、当てはまる理由を全部挙げてもらっている。

 

「家事や育児が負担」「雇用先がない」という答えもあるなかで、「経済的に働く必要がない」のは、「今後も働く予定はない」人の3割弱である。調査に回答した1万2289人の子持ちの既婚女性のうち、「経済的に働く必要がない」ため専業主婦でいるのは、2.7%に過ぎなかったのだ。

筆者も関西地域で子持ちの母親たちにグループインタビューを実施した。

多くの母親たちが働きたいと考える最も大きな理由は、「子どもがいるからこそ、お金が必要」ということである。

中には、有名企業に夫が勤めていても「早く働いて」と言われている人もいた。晩婚化が進む中で、夫の定年までに子どもが成人しない夫婦も増えているからだ。

photo by iStock

定年までの時間が短すぎて、教育費や住宅ローン、老後の資金はとても一人では賄えないというわけだ。

しかも妻が再就職を焦るのも、「子どもが小学生になるまで」と待っていると、妻も40代になり、より再就職が難しくなるからである。

さらに親たちも年を取り、いつ介護が始まるかもわからない。妻が無業の時に親の介護が始まれば、介護者として期待され、再就職どころではなくなる。それでは自分たちの生活が成り立たないと、夫婦で再就職に焦っている例もあった。

一方、若い夫婦では夫婦ともども非正規雇用という世帯も増えているという。

非正規なので育児休業も取れず、出産で離職したが、共働きでないととてもやっていけない、というわけだ。

「平成24年就業構造基本調査」によると、日本全体での夫婦の共働き率は60.9%であるが、最も共働き率が高いのは、夫の所得が250〜299万円の世帯であり、この世帯では、共働き率は65.8%、妻がパート率は28.3%である。