ハワイで「べーシック・インカム」の導入が本気で議論されている事情

どうやら、本当に苦しいようです
山田 敏弘 プロフィール

今改めて注目されているベーシック・インカムは、世界を見渡せばすでにいくつかの地域で試験的な導入が始まっている。カリフォルニア州のオークランドでは100世帯に月1500ドルを配るという実験を行なっている。

フィンランドは2016年から、ランダムに選んだフィンランド人2000人に1人につき月560ユーロ(約587ドル)を無条件で提供する2年間の実験を開始している。2017年4月には、カナダのオンタリオ州が3つの地域の4000人に、1人に月1400ドルほどのベーシック・インカムを渡す試験を実施すると発表している。

 

ハワイ州では、世界の実験結果なども考慮しながら、ベーシック・インカム導入に関する議論が続けられることになる。最大の課題は財源だろう。

現在ハワイ州の貧困ラインは1人の年収が1万3860ドル。仮に成人人口(18歳以上)の約105万人が全員、1万3860ドルを受け取るとすると、ベーシック・インカムの費用は年間で144億ドルほどになる。富裕層の税金を増やすという案もあるようだが、今後、それをどう賄うのか、試算などを繰り返すことになるという。

今回の法案の文言を読むと、ハワイの切迫感はどこよりもその必要性を強く感じられるものである。財源をどうするのかをはじめ、検討すべきことは山のようにあるはずだが、ハワイにとっては、「その時」が来るのはそう遠くはないのかもしれない。