ビジネスパーソンをターゲットに、連日のように勉強会やセミナーが開催されている。そんな中で異彩を放つのは、カリスマ的人物が少人数を対象に、非公開で行う「私塾」の存在だ。限られたメンバーだけに許された、特別授業の中身とは?
「これまでいろんな場所で多くのことを学んできたつもりでしたが、自分のものの見方の偏りや無知を、圧倒的に思い知らされる場でした。でも、それを改めて認識できただけでも、大きな収穫だったと、心から感謝しています」
こう語るのは、三菱商事からハーバードビジネススクールでMBAを取得後、マッキンゼーなどでキャリアを積んだヘッドハンター、プロノバ代表の岡島悦子氏。松岡正剛氏が主宰する「ハイパーコーポレートユニバーシティ」の参加者の一人だ。
1970年代に伝説的雑誌『遊』を発刊、情報を独自のアプローチで"編集"する新しい知を提唱してきた松岡正剛氏。
'09年10月からはJR東京駅前の丸善丸の内本店内に独自編集の本棚「松丸本舗」を開設、界隈のビジネスパーソンから高い支持を得ている。インターネット上の書評「千夜千冊」は20万ページビュー、300万アクセスに達し、文化・芸術分野のみならず、政財界にも心酔者が多い。
そんな彼が、少数の経営幹部に向けて非公開の"私塾"を開いているらしい、という噂は数年前から聞こえていた。それが、今年第5期目を迎えた「ハイパーコーポレートユニバーシティ」だ。
もともとは、三菱商事とリクルート、2社の経営幹部による、「次代の経営を担う若手に、ビジネスの現場では学べない教養を身につけさせたい。そのために、既存の幹部育成プログラムにはないものを作りたい」という思いから始まった。塾長を務める松岡氏はいう。
「両社は本当に熱心でした。僕に何を聞くべきか、1年もかけて、いろんな組み立てを進めてくれました」