皇太子が天皇になると、「待遇」はこんなに変わる

移動方法、晩餐会、相談相手まで
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東京駅地下の「貴賓通路」

天皇の生前退位に関する特例法が国会を通過し、'19年の年初、もしくは同年4月には、皇太子が新天皇として即位することになる。

デンマーク訪問の例に見られる通り、その時、「待遇」は一変する。天皇と皇太子に対する周囲の応対には、どのような差があるのか。

 

まずわかりやすいのは、地方巡幸の際の移動である。前出の宮内庁担当記者が解説する。

「皇族の方が移動する時、西は大阪、東は仙台くらいまで新幹線を使いますが、両陛下は一編成すべてを貸し切る。グリーン車に両陛下と随行の宮内庁職員が乗り、ほかの車両に宮内記者が乗る形です。皇太子殿下は、ご本人が乗る1両と前後1両ずつ、計3両が貸し切られることが多い」

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新幹線を使う時は東京駅から出発するが、そこでも象徴的な相違がある。第17代東京駅長の木下秀彰氏が解説する。

「天皇陛下、皇太子殿下の場合、『御料車』(皇族のための車)で駅まで来て、それを駅長が出迎え、丸の内の正面玄関の入り口から、乗り場に繋がる『貴賓通路』へと案内します。

赤絨毯が敷き詰められた100mほどの地下通路で、両陛下と皇太子ご夫妻、そして国賓しか利用できません。

頻度は少ないですが、出発までの時間がある時は貴賓室を利用します。『松の間』と『竹の間』があり、前者には両陛下しか入れない。

両陛下と皇太子殿下が一緒にお越しになった時も、別々に過ごすことになる。松の間は20~30畳ほどで、陛下専用の椅子が置いてあり、正面には横山大観の『富士に桜』という絵がかかっていた」

飛行機はどうか。デンマークに行く時、皇太子は政府専用機を貸し切った。これは天皇が海外に行く場合と同じだが、国内で飛行機を使う際には、大きな差が出る。

「天皇陛下は、ANAかJALの小型機を貸し切ります。その機が羽田空港の貴賓室のすぐそばにつけ、陛下が乗り込むのです。皇太子殿下の場合は一般客と同じ便を使う。

貴賓室から黒塗りの専用車で、客が搭乗し終わった機に向かい、ファーストクラスに乗る。

興味深いのは、天皇陛下の場合、利用する航空会社の社長が同乗する例が多いこと。『万が一事故があったら命をもって償う』ということなのでしょう。それだけ陛下の命を預かるのは重いことなのです」

海外に行く際、天皇と皇后だけが慣例に従ってパスポートを必要としないことも特別な待遇のひとつだろう。皇太子を含む皇族は、一往復限定のパスポートをその都度発給されている。