赤字22億円!名門・東京女子医大が「危機的状況」に陥っていた

職員向け「決算報告書」をスクープ入手
週刊現代 プロフィール

看護師が足りない

今年の夏季賞与も、〈3年連続の赤字という現実から過去の支給実績維持は困難です〉として、「本給の1.6ヵ月」('15年は2.35ヵ月+扶養手当2ヵ月)と大幅にカットされている。

人材流出は加速する。

「スキルのある看護師がどんどん辞めています。有能な看護師が複数名いないとチーム医療は不可能です」(前出の職員)

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その結果、収入増加を狙って増床棟を完成させたはずの同大八千代医療センターは、看護師不足により一部稼働ができなくなる事態に陥った。だが、文書にはこんなカネ勘定が続く。

〈黒字が約7億円減少しました。引き続き他施設からの配転も含め看護師を確保し、病床の稼働率をあげていくことが課題です。〉

本末転倒としか思えないが、リストラに関してはこう実績を強調する。

〈平成28年度は賞与を大幅に削減し総額は平成27年度比約15億円削減しました。(中略)人件費合計は約406億円で平成27年度比約28億円の減少となりました。〉

だが、いくらコストを削っても、収入減を埋め合わせることはできない。大学全体の収支を見ると、'14年度は6億9000万円、'15年度は28億8100万円、'16年度は22億円と3年続けての赤字決算となった。だからこそ、こう書かざるを得ない。

〈残念ながら、収入の減少がそれを上回るため、収支としては厳しい状況となっています。本学の現人員・施設運営体制を維持するためには医療収入800億円以上が必要ですが、平成28年度の医療収入は約755億円と大幅に乖離しています。これ以上医療収入が減少しますと、法人存続にかかわる危機的な事態となります。〉

 

存続が危機的―「このままでは、潰れる」と言っているに等しい。

医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏は言う。

「医療費は全国一律なのに、首都圏の土地代や人件費などのコストは、地方とは比べものにならないほど高い。

'14年の消費税増税を引き金に、首都圏の有名病院が次々に経営難に陥りました。女子医大のみならず、日本医大や北里大も赤字決算です。

政府は診療報酬を下げて医療費削減に舵を切ろうとしています。病院は医薬品などを仕入れる際に消費税を負担しますが、患者には請求できない。消費税が10%に増税されれば、首都圏の総合病院はさらに苦しくなる」