赤字22億円!名門・東京女子医大が「危機的状況」に陥っていた

職員向け「決算報告書」をスクープ入手
週刊現代 プロフィール

名医たちも流出

指定取り消しで病院の評判が下がると、離れるのは患者だけではない。

「かつて東京女子医大は、心臓外科の榊原仟教授、脳神経外科の喜多村孝一教授を代表とするスター医師を擁し、全国に名を轟かせてきました。

しかし、最近になって国産人工心臓『エバハート』の開発者として知られる心臓外科の山崎健二教授が辞任するなど、人材流出が相次いでいます」(同大関係者)

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名医がいなくなれば、さらに患者数は減る。悪循環だ。結果、収入は減っていく。'14年度には946億円あった大学全体の事業収入は、2年間で54億円も減らし、'16年度は892億円となった。

〈厳しい決算となった主たる要因は医療収入の減少です。医療収入合計で755億1500万円となり、本学の現人員・施設を運営していくために必要とされる800億円を大きく下回っている〉

これまで女子医大が打ってきた施策は、リストラにつぐリストラだった。

〈赤字医療施設あるいは高額賃借料を支払っている医療施設の統廃合はかつてないスピード感をもって推進しています。〉と記されているが、同大学の「青山自然医療研究所クリニック」で所長を務めていた、川嶋朗・元准教授(現・東京有明医療大教授)はこう語る。

「私のクリニックは'14年3月に閉鎖されましたが、大学側から事前に何の連絡もなく、突然理事に呼び出され、『赤字だから』という理由で閉鎖を告げられました。教授会さえ知らなかったんですよ」

その後女子医大は'16年1月に青山病院、'17年1月に女性生涯健康センター、同2月に膠原病リウマチ痛風センター、同3月に日暮里クリニックと、立て続けに附属施設を閉鎖した。職員が言う。

「とにかくすべての部門で黒字を出せというプレッシャーがあります。女性生涯センターは、女子医大が作った女性専門の医療センターとして注目されていました。しかし更年期障害を含む女性の病気は診察時間が長くなりがちで、その分利益を出しにくいということで、閉鎖になったのです」

 

さらに、給与カットだ。

女子医大労働組合の資料によれば、この3年間で、年間の賞与額は、事務大卒職員(50歳)のモデルケースで約120万円下げられている。

「医師も賞与カットは当たり前で、バイトをしないととても生活できない。看護師は辞めてもいくらでも仕事がありますが、事務職や技師は、他の病院に再就職しようと思っても難しい」(別の職員)