慶應義塾の「疑惑の塾長選」そのウラ側をぜんぶ書く!

なぜか二位が勝利して、会議が大炎上
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「1位」が語った想い

細田氏ではなく長谷山氏が選ばれた背景について、ある評議員は次のように指摘する。

「長谷山氏は清家体制を支えた『側近』で、現行体制を継続させたい守旧派は長谷山就任を画策していた。一方の細田氏は改革派なので、守旧派にとっては都合が悪かった」

こうした意見に対して、銓衡委員を務めた勝俣氏は本誌の取材に次のように答える。

「3名の中から選ぶというのがルールで、それを守っている。過去には得票数が一番の人が選ばれているとも言うが、得票数が委員会に出されるようになったのは前回(の塾長選)から」

つまり、過去得票数1位が塾長に選ばれたのはたまたまで、1位を塾長に選ぶ規則もないということだが、こうした言い分には教職員などから異論が出ている。『慶應塾生新聞』の塾生記者も言う。

「2010年に慶應義塾常任理事会の名義で出された『今日の慶應義塾におけるガバナンスのあり方』という文書があり、推薦委員会の『選挙の結果をそのまま尊重するのが原則とされるべきこと』と書かれている。なぜ今回その方針が曲げられたのか、大学側からは説明がありません」

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ここで再び、評議員会に戻ろう。

会も終盤に差し掛かろうという時、1位だった細田氏が発言に立つシーンがあった。

細田氏はまず、〈私が塾長に選ばれなかったことが嫌だとか、そういうことを申し上げたいのではない〉と言いながら、2位の得票数が過半数に達していないことを指摘。岩沙議長が〈いや、細田君〉と制しかかると、〈意見を封じないでください〉として、以下のように語った。

〈私がどうなろうなんて、もうどうでもいいです。全く構いません。(中略)4年後、塾長選挙があります。そのときに今回と同じようなことができたら、慶應義塾は破綻すると私は思っています。もうそれが起きているんですよ。皆さんは気が付いていないかもしれないけれど、教職員は怒り始めています〉

岩沙氏には一連の経緯について説明を求めたが、「回答いたしかねますので、差し控えさせていただきます」(三井不動産広報部)と答えるのみ。

 

塾内ではすでに、塾長らに説明責任を果たすよう求める署名活動の動きも出てきた。現役もOBも、ただ「納得できる説明」を待っているだけなのだが。

「週刊現代」2017年7月8日号より