悪夢は繰り返されるのか?安倍官邸「支持率の堤防」がついに決壊

霞が関の「大反乱」で転落は止まらない
週刊現代 プロフィール

苛立つ菅官房長官

加計理事長は安倍総理や萩生田副長官のみならず、自民党文教族の大物で元文科相の下村博文幹事長代行とも家族ぐるみの付き合いをしていることで知られる。

『文藝春秋』7月号に掲載されたノンフィクション作家・森功氏の記事によれば、加計理事長は下村氏の今日子夫人にも食い込み、昭恵夫人とともに連れ立って旅行するほど仲が良かったという。加計学園の獣医学部新設へのレールは、下村氏が文科相だった時代に完成しつつあったとも森氏は指摘する。

安倍官邸が総理のお友達にばかり便宜を図っているのではないか。そうした疑念を、有権者も抱き始めた。

報道各社の世論調査では、安倍政権の支持率が軒並み10ポイント前後も低下。毎日新聞の調査では、支持率が36%で、不支持率が44%と、ついに逆転した。

支持率の急落は、官邸の要が機能しなくなったことも影響を及ぼしている。これまで安倍一強政権を支えてきた菅官房長官はこうした状況を苦々しく感じている。

「当初の『怪文書』対応がまずかったと党内から批判されていますが、菅さんにしてみれば、森友学園は『総理の妻』の関与が取り沙汰され、加計学園の場合は『総理のお友達』。なんで俺がその尻拭いで叩かれなきゃいかんのか、という思いでしょう」(自民党関係者)

 

だが、官邸もこのまま黙ってはいない。怒りに燃えてなりふり構わぬ反撃に出る。その第一弾が森友学園と籠池泰典前理事長宅へのガサ入れだ。

籠池氏は補助金を不正に受給していた詐欺の容疑で、6月19日に大阪地検特捜部から家宅捜索を受けた。

「籠池氏は7月3日にも逮捕されるでしょう。一方、国有地を不当に安く売却した容疑で、近畿財務局の担当者が告発され、大阪地検はこれを受理していますが、こちらに捜査の手が伸びることはありえません。本気で解明しようとすれば、昭恵夫人の関与まで捜査の対象になるからです」(全国紙在阪記者)

森友学園や加計学園の問題を追及する自由党参議院議員の森ゆうこ氏がこう批判する。

「最初は安倍夫妻が自分たちと同じ考えの教育を行う学校を作るために籠池氏を利用していたのに、都合が悪くなると、国会に証人喚問し、口封じで国策捜査。完全な恐怖政治ですよ。

国民の負担は医療費にしろ、介護費にしろ、増えるばかりなのに、お友達には大盤振る舞い。籠池氏は途中で友達ではなくなったので、手のひら返し。

さらに『共謀罪』が成立したことで、歯向かう者は口封じする体制が整いました。来月には施行されるといいます。あまりにも早すぎる。政府に批判的な発言をするな、話し合うな、監視しているぞ、というわけで、独裁国家の完成です」

籠池Photo by GettyImages

こういった安倍政権の強引な手法に、さすがに党内からも批判の声が上がり始めた。

自民党二階派の議員はこう話す。

「二階(俊博・幹事長)さんは籠池氏への家宅捜索に対して相当怒っています。安倍総理が記者会見を終えた直後にガサに入るなんて、あまりに見え透いたタイミングだからです。

自分に都合の悪い存在を検察にパクらせて、ブタ箱に送って黙らせようとする意図が見え見え。安倍さんの周辺は『籠池前理事長も犯罪者になれば、もう何も言えない』と考えているのでしょうが、有権者はそこまでバカじゃない。

二階さんはこれまで前川氏の国会招致にあえて言及するなど、党内の不満をガス抜きしようとしてきました。都議選で勝つために、自民党のイメージをこれ以上、悪くしないためです。

籠池氏のガサ入れで加計問題から国民の目をそらそうとする官邸のやり方は、二階さんから見れば安倍さんの『保身』。すでに党内は一枚岩ではなく、ポスト安倍を意識し始めた」