男児のママが必ずぶち当たる「おちんちんの皮むく?むかない?」問題

一児の母・兼官能小説家がマジメに解決
大泉 りか プロフィール

助産師主催の「おちんちん講座」へ

そうなると頼りになるのは、父親の存在だ。同じ親として、責任の半分を担っている上に、息子と同じペニスを持つ同性でもある。だから、むしろわたしよりも、この問題については率先して考えてくれてもいいはずだ。

剥くことに関して躊躇している理由のひとつである「痛み」については、父親ならば理解できるだろうし、それを踏まえた意見を貰えるのでは、と思ったのだが、「ねぇ、この子のおちんちん、剥いたほうがいいかな」と相談を持ち掛けても、「うーん」となんとも煮え切らない返事しか帰ってこない。

仕方なく「お風呂に入った時に、毎日、剥いてくれる?」と方針をこちらで定めて通告したところ、「えっ、嫌だよ、無理、それは任せる!」とあくまでも及び腰で関わってくれる様子はない。

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うちの夫だけではなく、何人かの子持ちの男性にも尋ねてみたが、「放っておいてやれ」というのがほどんど。「そんなものは本人の自主性に任せるものだから」ということらしいが、それでいいのならば、なぜ育児雑誌には「剥くのがベスト」と紹介されているのか。

少数派ではあるものの、「剥いたほうがいい」という男性ももちろんいた。理由を聞くと「真正包茎で、高校を卒業した後にアルバイトで貯めたお金で手術をした」とか「3歳の時に包皮炎になって、病院で切られた」等、実際に包茎が原因で、なんらかのトラブルを経験した人ばかりだ。

こうやって、実際に大変な目に合った男性が剥くことに賛成しているとなると、俄然心は「剥いてみようか」という方向へと傾く。

雑誌を読んでも決心がつかず、夫もダメ。となると頼る相手は専門家しかない。なにかこうしたことを教えてくれる場所や、話し合うサークルのようなものはないだろうか……と探したところ、発見したのが助産師が主催している「おちんちん講座」だった。この問題の解決を望んで、さっそく一番近い日程で申し込んだ。

 

「おちんちん講座」は都内にある某助産院の中で開催されていた。その日の受講者は母親3人にそれぞれの赤ちゃんがひとりずつ。講座といってもかしこまった雰囲気ではなく、マットの上にラグが敷かれた床に赤ちゃんを寝かせて、母親たちはぐるりと車座になって座らされた。

おそらくは40歳のわたしが最年長で、残りのふたりの母親たちは20代後半から30代頭くらいに見える、ともに清潔感のある女性たちだ。赤ちゃんはそれぞれ3ヵ月と8ヵ月。助産師は初老の女性だった。

「ここに、名前と住所と講座を受けようと思った理由を書いて」とクリップボードに挟まれた紙を手渡されたので、こっそりと他の人はなんと書いているかを確認する。「きちんと清潔に洗えているか心配だから」と書いてあったので、わたしもそれに習って「お手入れの方法がわからないため」と記して、助産師に戻した。

ストッキングを利用して作ったというペニスの模型を見本にしての、ペニスの説明から始まった。赤ちゃんのペニスが包皮にくるまれているのは普通のこと。

睾丸が下がってきていない子がまれにいるけれど、2歳になっても下がってこない場合は、外科的な手当てをしたほうがいいこと、精子は熱に弱いため、睾丸にあまり熱を溜めないほうがいいので、おむつが外れたら風通しのいい下着を選ぶことが大切、近年知られるようになった男性不妊の原因は、男性がピッチリした下着やパンツを身に着けているせいもあるetc、知っているようで知らない、男性の下半身の知識だ。