元CIA・情報のプロがついにトランプの「フェイク政策」を見破った

「サウジに武器は売られてません」
山田 敏弘 プロフィール

サウジはなぜ黙っているのか…

そもそも、原油価格の下落で自国経済がひどい状況にあるサウジは、オバマ政権時に購入契約をした兵器の支払いもできていないのだ。また国内でも公共事業などへの支払いが滞る始末で、景気回復策としてサウジ在住の外国人労働者を狙い撃ちに課税をし、なんとか税収を増やそうとしている。

外遊時には大勢を引き連れて贅沢三昧、というイメージのサウジ政府だが、実情はいつまでも贅沢をしていられる場合ではないのだ。そんな状況にありながら、ぽんと気前よく武器購入に1100億ドルを払う、というのは考えにくいのである。

 

では、なぜこんな「フェイク」がまかり通るのか。サウジ側にすれば、米国製の武器を大量に購入することに合意したと発表するのは、周辺国やライバルのイランへの牽制になる。

またロシアゲートなどで政権がぐらつき続けるトランプにとっても、武器売却契約でアメリカが潤い、それによって雇用が生まれる、と外交成果を主張できるのは願ってもないことなのである。つまり両者にとって、大風呂敷を広げることはウィンウィンなのだ。

ただ、時の権力者がなかったことを「あった」かのように喧伝しているとなると、それは「フェイクニュース」という軽い言葉では済まされない問題だ。「フェイク政権」と呼ばれても仕方がないだろう。不動産取引の交渉ならそんなハッタリは通用するかもしれないが、国際情勢はそんな単純なものではない。

とんでもない嘘を吐き続けているトランプ大統領。米国民が相手ならどれだけ騙してもいいのかもしれないが、嘘の蓄積は確実に米国という大国の評判と信用を今以上に貶めることになる。

「フェイク政権」が率いる米国を誰も信じなくなる日は、そう遠くないのかもしれない。