「たいめいけん」三代目シェフが明かす、ガングロチャラ男の矜持

第18回ゲスト:茂出木浩司さん(前編)
島地 勝彦 プロフィール

「出過ぎ過ぎた杭は抜け落ちる」

島地: 異端の料理人か。いいですね。実はぼくが考えた格言に「今日の異端は明日の正統」というのがあります。新しいことをしようとすると、必ず足を引っ張るやつがいるものですが、自信があるなら周囲に何といわれようが、信じた道を突き進めばいいんです。

茂出木: 同感です。肌を黒く焼いて、テレビのバラエティでバカをやるのは、従来の常識からはみ出した異端でいたいから、という部分もあります。見た目はこんなにチャラいのに料理を食べたらとてもうまい。そのギャップが大きければ大きいほど強く記憶に残るんじゃないかと思っています。

島地: おっしゃる通りですよ。まわりがなんといおうと、自分が信じる道を進めばいい。出る杭は叩かれるけど、出過ぎた杭は叩かれません。

日野: それは島地さんの人生が証明していますね。

島地: まあな、それは否定しない。

茂出木: ただ「出過ぎ過ぎた杭」は自分から抜け落ちてしまうので、そうならないようには意識しています(笑)。

島地: 「出過ぎ過ぎた杭は抜け落ちる」か、うまい!自分は臆病者とおっしゃいましたが、臆病な人ほどまわり様子、変化に敏感でもあるから、案外経営者に向いているのかもしれませんね。

〈後編につづく〉

(構成:小野塚久男/写真:峯竜也)
〔撮影協力〕BAR LIVET

茂出木浩司(もでぎ・ひろし)
日本橋「たいめいけん」三代目シェフ。1967年、洋食店「たいめいけん」二代目の長男として生まれる。祖父が創業した同店は、作家・池波正太郎、映画監督・小津安二郎ら各界の著名人に愛された。高校卒業後、渡米し語学を学んだ後に帰国。調理師修行を経て、実家の「たいめいけん」に入店。1994年、27歳で三代目シェフに就任。2001年、日本橋三越の地下に惣菜販売「デリカテッセン・ヒロ」を開店。真っ黒に日焼けし、サーフィン、カートレース、和凧、カイトボーディングなど多彩な趣味に熱中する「チャラ男」キャラでテレビ出演も多数。