自衛隊の「PAC3」では、この国は絶対に守れないことが判明

原発を防御圏に収めているのはゼロって…
半田 滋 プロフィール

まだ「原発神話」を信じているのか

防衛省は13日、小牧基地(愛知県)、福岡駐屯地(福岡県)、朝霞駐屯地(東京都)、北熊本駐屯地(熊本県)の4カ所にPAC3を機動展開する訓練を実施すると発表した。稲田防衛相は「国民の安全安心に寄与する」と述べたが、PAC3が配備されている基地から別の基地・駐屯地へ移し、自衛隊施設の防御を図るだけである。

なぜ、原発近くにPAC3を移動させないのか。自衛隊を統合運用する統合幕僚監部の将官は「政治の命令がないのです」という。政治が軍事を統制するシビリアンコトロール上、政治決断がないと勝手はできないというのだ。

奇妙ではないか。内閣官房が弾道ミサイル落下時の対処法をHPに掲載し、地方自治体が各地で避難訓練を実施しているのに原発は無防備で構わないというのだ。いまだに原発神話を信仰しているか、弾道ミサイルの原発への落下はないと考えているかのどちらかであろう。

 

思い起こされるのは今年のゴールデンウィーク前後の出来事である。

弾道ミサイル発射が懸念された金日成生誕記念日の4月15日、内閣官房「国民保護ポータルサイト」のアクセス数は急増し、3月のアクセス数を1日で上回った。4月29日の弾道ミサイル発射時には東京メトロや新幹線の一部が運転を見合わせる事態にまでなった。

その一方でゴールデンウィーク期間中、外遊したのは閣僚の半数にあたる11大臣にのぼり、副大臣11人と政務官8人も日本を留守にした。一般国民と政権中枢に近い政治家の行動には大きな落差があったのである。

その落差はさらに広がりつつある。政府は今にも弾道ミサイルが落下しそうだと国民を震え上がらせる一方で、原発を守ろうとする様子は少しも見せない。

求心力を高めることに北朝鮮をトコトン利用するものの、実は本気で心配などしていないと考えるほかない。安倍政権支持層は、この現実をよくみつめた方がいい。