自衛隊の「PAC3」では、この国は絶対に守れないことが判明

原発を防御圏に収めているのはゼロって…
半田 滋 プロフィール

250基のミサイルvs.34機のPAC3

稲田朋美防衛相は昨年8月、北朝鮮の度重なる弾道ミサイル発射に対し、自衛隊に迎撃態勢をとらせる「破壊措置命令」を発令した。兆候をつかみづらい移動式発射台からの発射が繰り返されていることを受け、常時発令した状態を維持し、現在に至っている。

日本のミサイル防衛システムは日本海のイージス護衛艦が艦対空ミサイル「SM3」で迎撃し、撃ち漏らしたら地対空迎撃ミサイル「PAC3」で対処する。

一隻あたりのSM3の搭載量は10発以下とみられる一方、北朝鮮は日本まで届く「スカッドC」(九州北部、中国地方)、「スカッドER」(本州全域)、「ノドン」(日本全域)などの弾道ミサイルを合計250基以上の発射機を保有する(2013年5月、米国防総省「朝鮮民主主義人民共和国の軍事および安全保障の進展に関する報告」)。

イージス護衛艦を複数動員したとしても弾道ミサイルを連射されれば、いずれSM3は尽きる。「最後の砦」がPAC3なのだ。

 

では、自衛隊はPAC3発射機を何機持っているだろうか。以下が航空自衛隊の地対空ミサイル部隊である。

▼第1高射群 (関東防衛、入間基地) =第1高射隊(習志野分屯基地)第2高射隊(武山分屯基地)第3高射隊(霞ヶ浦分屯基地)第4高射隊(入間基地)

▼第2高射群 (九州防衛、春日基地) =第5高射隊(芦屋基地)第6高射隊(芦屋基地)第7高射隊(築城基地)第8高射隊(高良台分屯基地)

▼第3高射群 (北海道防衛、千歳基地) =第9高射隊(千歳基地)、第10高射隊(千歳基地)、第11高射隊(長沼分屯基地)、第24高射隊(長沼分屯基地)

▼第4高射群(中部防衛、高岐阜基地) =第12高射隊(饗庭野分屯基地)第13高射隊(岐阜基地)第14高射隊(白山分屯基地)第15高射隊(岐阜基地)

▼第5高射群 (沖縄防衛、那覇基地) =第16高射隊(知念分屯基地)、第17高射隊(那覇基地)第18高射隊(知念分屯基地)、第19高射隊(恩納分屯基地)

▼第6高射群 (東北防衛、三沢基地) =第20高射隊(八雲分屯基地)、第21高射隊(車力分屯基地)、第22高射隊(車力分屯基地)、第23高射隊(八雲分屯基地)

▼高射教導群(教育、浜松基地)=第1教導隊、第2教導隊

下線があるのがPAC3を保有する高射隊である。16個部隊、1個教導隊が2機ずつ合計34機の発射機を持つ。2機ずつなのは発射機を2機並べて使うためで、これにより防御地点は全国で17カ所となる。防御範囲は1カ所あたり直径50kmとされる。

それぞれの基地を中心に直径50kmの円を描くと、いずれの原発もその円の中には入らない。原発には「PAC3の傘」がかかっていないのが現状である。